アドビは、今年のアマゾンプライムデーにおいて、AIがオンラインショッピングプロセスにこれまで以上に大きく関与すると発表しました。アマゾンの年次セールは今年、7月8日から11日までの4日間にわたり、アメリカのeコマース小売業者全体で2兆8,000億円(約23.8億ドル)のオンライン支出を促進する見込みです。多くの企業がこの人気のショッピングイベントに合わせて独自のセールを展開しています。
アドビは、ブラックフライデーなどのオンラインショッピングイベントの見積もりを定期的に発表しており、オンライン取引を追跡することでeコマースの動向を把握しています。同社の分析は、アメリカの小売ウェブサイトへの1兆回以上の訪問と、18の製品カテゴリーにわたる1億SKUを対象としています。
今年、アドビはプライムデーが「2つのブラックフライデー」に相当すると予測しています。4日間での支出額は前年同期比で28.4%増加し、9,600億円(約9.6億ドル)増となる見込みです。
モバイルがこの成長の大部分を占め、売上の52.5%以上を占めるとしていますが、今年は生成AIも重要な役割を果たすということです。プライムデー期間中、生成AIからのトラフィックは前年同期比で3,200%増加するとアドビは予測しています。これは依然として有料検索やメールなどの他のチャネルに比べて小規模ですが、消費者がAIの価値を認識するにつれて成長を続けると考えられています。
アドビはまた、2024年のホリデーシーズンに生成AIを活用したチャットボットやブラウザの利用が急増し、前年同期比で1,300%増加したことを指摘しています。
さらに、アメリカの消費者5,000人を対象にした調査では、55%がリサーチ、47%が製品の推薦、43%がディールの発見、35%がギフトアイデアの取得、35%がユニークな製品の発見、33%がショッピングリストの作成に生成AIを利用しているとしています。
生成AIを使用した人のうち、92%が購入体験が向上したと答え、87%がより大きなまたは複雑な購入にAIを利用する可能性が高いと述べています。
AIプロバイダーはこのトレンドを活用し、GoogleはGeminiを活用した製品検索、OpenAIはChatGPTにショッピング機能を追加するなど、AIをショッピングに統合しています。
アドビの予測によると、今年のプライムデーでは消費者が割引に注目し、特に衣料品が大きなディールを提供する方針です。また、学用品の需要も今年の売上を押し上げる要因となります。