アメリカの連邦裁判所は、実業家のイーロン・マスク氏が旧ツイッターの株式取得をめぐってアメリカ証券取引委員会(SEC)から提訴されていた問題で、マスク氏が150万ドル(約2億3250万円)の制裁金を支払う和解案を承認したと発表しました。裁判官は和解内容に「重大な懸念」を示しつつも、承認に踏み切ったということです。
ブルームバーグ通信が報じた裁判所の意見書によりますと、スパークル・スークナナン連邦地裁判事は、マスク氏とSECの和解案を受け入れる決定を下しました。
この訴訟は、2022年にマスク氏が旧ツイッターを買収した際、株式の保有割合が増加したことを投資家に対して速やかに開示しなかったとして、SECが2025年初頭に起こしたものです。提訴は、ドナルド・トランプ大統領が就任するわずか数日前に行われました。
SECは、市場の公平性を確保する観点から、マスク氏が当初株式の保有を開示しなかったことで「最終的に1億5000万ドル(約232億5000万円)もの巨額の資金を節約した」と主張していました。
これに対し、マスク氏は今年5月、自身の不正行為を認めることなく、名義上の信託を通じて150万ドル(約2億3250万円)の制裁金を支払うという条件でSECと和解に合意していました。
スークナナン判事はこれまで、2024年の大統領選挙でトランプ氏に多額の資金援助を行ったマスク氏が、トランプ政権から「特別扱い」を受けているのではないかと疑問を呈していました。
判事は今回の意見書の中で、裁判所の権限は提案された和解案が「公正さと合理性の最低基準を満たしているか」、あるいは「司法権を愚弄するものであるか」を評価することに限られていると指摘しています。
そのうえで、「裁判所としては今回の和解に重大な懸念を抱いているものの、司法権を愚弄するほどの基準には達していない」と述べ、和解を承認する判断に至ったということです。
