アメリカのオンライン地図サービス「マップクエスト」は、トランプ大統領が指示した「オンタリオ湖」の名称変更に従わず、従来の名称を維持すると発表しました。この決定を受けて、同社の地図アプリのダウンロード数が急増し、アメリカのアプリストアのナビゲーション部門で1位になったということです。
トランプ大統領は先に、アメリカ内務省に対し、アメリカとカナダの国境にある「オンタリオ湖」の名称を「アメリカ湖」に変更するよう大統領令を出しました。これに対し、マップクエストは木曜日、地図上の名称を変更しない方針を明らかにしました。
この発表以降、同社のアプリのダウンロード数は急増しています。アメリカ東海岸時間の月曜日の朝の時点で、アップルのアプリストアにおけるナビゲーション部門で1位となったほか、ゲームを除くアプリ全体のランキングでも4位に浮上したということです。また、カナダのアプリストアでも全体で2位を記録しました。
会社側によりますと、名称維持の決定以降、数十万回の新規ダウンロードがあり、アプリの利用率は通常の50倍に達したとしています。市場調査会社「センサータワー」のデータでも、8月24日からの1週間で世界全体で18万4000回、アメリカ国内で16万2000回のダウンロードが確認され、それぞれ前の週の10倍以上に増加したということです。
マップクエストのダグ・バーガー部門長は声明で、「人々が親しんでいる名称を維持するアプリを提供するという、メキシコ湾の名称変更の時と同じ方針をとりました。週末の数十万件のダウンロードが、私たちの決定が正しかったことを示しています」と述べています。同社はまた、ユーザーがオンタリオ湖の名前を自由に変更してSNSで共有できるジョークツールも公開しました。
トランプ大統領による今回の名称変更の決定は、アメリカとカナダの貿易交渉が暗礁に乗り上げたことを背景にしています。アメリカは200億ドル(約3兆1000億円)相当のカナダ製品に新たに50%の関税を課す措置をとっており、カナダ側も報復措置を準備しているとされています。
一方、IT大手グーグルは土曜日、アメリカ政府の公式な地理情報システムに従い、グーグルマップでの名称変更に応じる方針を発表しました。アメリカ国内のユーザーには新しい名称が表示され、カナダのユーザーには「オンタリオ湖」、その他の国のユーザーには両方の名称が表示されるということです。なお、アップルの地図アプリは月曜日の朝の時点で名称の変更を行っておらず、今後の対応についての声明も出していません。
マップクエストはこれまでにAOLやベライゾンなどの傘下を経て、2019年にインターネット広告会社のシステムワンに買収されています。今年のダウンロード数はこれまでに世界で68万7000回に上り、前の年の同じ時期と比べて29%増加しているということです。
