アメリカのデジタル地図サービス「マップクエスト(MapQuest)」は、同社の提供するスマートフォン向けアプリがアメリカ国内のアプリストアでダウンロード数の上位に急浮上し、利用者の急増を受けて車載システム「アンドロイド・オート(Android Auto)」への対応を急ぐ方針であると発表しました。
マップクエストは30年の歴史を持つサービスです。巨大IT企業への対抗姿勢(アンチ・ビッグテック)を掲げ、2024年にプライバシーを重視したモバイル地図アプリとして再出発しました。その後、初期のアプリは提供を終了しましたが、今年に入り、機能を拡充した本格的なアプリの配信を開始したということです。
現在、同アプリはアメリカ国内の無料アプリランキングにおいて、アップルの「App Store」で8位(8月30日時点)、グーグルの「Play ストア」で5位にランクインしています。同社が発表したプレスリリースによりますと、「ブランドの30年の歴史の中で最も高い順位」であり、利用状況は「通常の約50倍に達している」としています。
この急激な人気の背景には、アメリカ政府の大統領令に関連する地図上の表記問題があります。グーグルマップやアップルマップが、大統領令に従い「オンタリオ湖」の表記を「アメリカ湖(Lake America)」に変更したのに対し、マップクエストはこの変更を拒否しました。同社によりますと、この対応が大きな反響を呼び、ブランドの存在感を再び高める結果につながったということです。
利用者を定着させるための戦略として、同社はグーグルの車載システム「アンドロイド・オート」への対応を急ピッチで進める方針です。なお、アップルの「CarPlay」にはすでに対応しています。アンドロイド・オートは数年前にサードパーティ製ナビゲーションアプリのサポートを追加しており、現在では多くの選択肢が利用可能となっています。
マップクエストは、リアルタイムの公共交通機関の情報などの機能面では他社のサービスに遅れをとっているものの、交差点などの案内(ターンバイターン・ナビゲーション)やリアルタイムの渋滞情報などを提供しています。現在、同社は広告企業であるシステム1(System1)の傘下に入っています。
