IT大手「メタ(Meta)」が今月Mac向けに提供を開始した新しいAIアシスタント機能「Muse」について、重大な脆弱性が発見され、同社が修正プログラムを配布したことが明らかになりました。
メタは最近、このAIアシスタント「Muse」の安全性について、専用の監視システムを導入し、バグ発見者には最大30万ドル(約4650万円)の報奨金を支払うなど、強固なセキュリティ対策をアピールしていました。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)も、「プライバシーとセキュリティを根本から構築した」と述べるなど、安全性を強調する方針を示していました。
しかし、macOSのセキュリティ専門家であるパトリック・ウォードル氏が、Mac版の「Muse」アプリに未知の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)を発見したと発表しました。「Muse」は、利用者に代わってメールの送信や支払いの処理などを行うため、端末内の多くの権限を必要とする仕様となっています。
ウォードル氏によりますと、Mac上で動作するアプリやコマンドを利用することで、特別な許可なしに「Muse」の非公開設定を変更できる状態になっていたということです。具体的には、音声入力データの送信先を制御する設定を書き換えることが可能でした。
これにより、悪意のある第三者が送信先を自身のサーバーに変更した場合、利用者の音声データや認証情報が盗み出され、AIアシスタントを乗っ取られるおそれがありました。ウォードル氏の実証実験では、不正なファイルの書き込みやカメラでの写真撮影、さらには連携するiPhoneの位置情報を取得することにも成功したとしています。
この攻撃は、利用者をだまして端末上で不正なコマンドを実行させることで成立するということです。また、アップルが提供する端末内での音声処理機能を使用せず、メタ独自のサーバーに音声を送信する仕様になっていたことも、脆弱性の要因の1つだと指摘されています。
現在、メタはこの問題に対処するための修正プログラムをすでに提供しており、専門家はMacで「Muse」を利用しているユーザーに対し、速やかに最新版へアップデートするよう呼びかけています。
