アメリカのIT大手メタが、カメラを搭載しない新型のスマートグラスを開発していることが明らかになりました。従来のカメラ付きモデルに対して、一部の消費者から「監視社会を連想させる」「盗撮の危険がある」といったプライバシー侵害を懸念する声が上がっていたことに対応するねらいがあるということです。
アメリカのメディアの報道によりますと、メタは現在、「ルナ(Luna)」と呼ばれる新しいスマートグラスを開発しています。この製品にはカメラが内蔵されていません。その代わりに、同社のAI(人工知能)チャットボットや、消費者向けAIエージェント「ミューズ(Muse)」と通信するためのシステムが搭載されているということです。
本体には、利用者がAIと円滑に対話できるように6つのマイクが内蔵されています。また、側面のボタンを押すことでAIシステムが起動する仕組みになっているとしています。
この新型モデルは、来週カリフォルニア州メンローパークで開催される同社の年次開発者会議「メタ・コネクト」で発表される可能性があるということです。なお、IT系メディア「テッククランチ」はメタに対して詳細な情報の提供を求めています。
スマートグラスの市場は近年成長を続けており、メタは業界を牽引する立場にあります。しかし、実用性や価格、プライバシーに関する課題が依然として残っており、消費者の間では利用の目的や必要性について慎重な姿勢もみられます。
メタにおいてスマートグラスの開発を担当する部門「リアリティ・ラボ」は、今年4月の決算報告でも巨額の赤字を計上したことが明らかになっています。同社としては、カメラを排除したモデルを投入することで消費者の不安を払拭し、独自のAI技術を活用した新たな需要を開拓することで、事業の立て直しを図る方針です。
