ビジネス向けSNS大手のリンクトイン(LinkedIn)は、偽のプロフィールや経歴の詐称を防ぐための新たな機能を導入したと発表しました。AI(人工知能)の普及により偽アカウントの作成が容易になる中、プラットフォーム上の信頼性を高める狙いがあるということです。
同社によりますと、新たな機能では、利用者が互いの職歴を証明し合えるようになるほか、企業側が自社のブランドに関連づけられるアカウントを管理できるようになるということです。
インターネット上でのなりすましは全体的な課題となっていますが、職歴や過去の役職、資格、学歴などを公開するリンクトインにおいては、本人確認の重要性がさらに高まっています。虚偽の経歴によって、不当に就職や昇進の機会を得るケースを防ぐ必要があるとしています。
リンクトインのプロダクト担当バイスプレジデントであるオスカー・ロドリゲス氏は、「信頼性を偽装することがかつてないほど容易になる一方で、信頼性を示すことの重要性はこれまで以上に高まっている」と述べています。
同氏によりますと、これまでにリンクトインの既存の認証機能を利用して、1億1500万人の利用者と70万社以上の企業が本人確認や企業認証を完了しているということです。「インターネット上では『本物であること』が最も価値のある通貨になると考えており、認証機能に投資してきた」としています。
具体的な新機能として、過去や現在の同僚、同級生などの経歴を証明できる機能が追加されます。これは、他者にその人物を推薦する既存の機能とは異なり、「この期間にこの人物と一緒に働いていた」という事実関係を客観的に証明するためのものだということです。
この機能の悪用を防ぐため、証明を行う利用者はすでに本人確認を済ませている必要があり、対象者と1年以上のつながりがあることが求められます。さらに、アカウント乗っ取りのリスクを減らすため、2段階認証を設定していることも条件としています。
また、これまでは採用担当者や経営幹部向けに試験的に提供されていた機能が拡大され、自社の従業員であると偽るアカウントを、企業の公式ページや関連する検索結果から削除できるようになります。
企業のページ管理者は、経歴を詐称しているアカウントを特定し、手動で削除することが可能です。さらにリンクトインは、今後自社に関連づけようとするアカウントに対し、職場のメールアドレスなどを用いた認証を義務付ける設定もテストしているということです。
企業側がアカウントの関連づけを解除しても、対象者のプロフィール自体が変更されることはありません。しかし、企業の公式ページへのリンクは無効となり、その職歴は「未認証」として表示される方針です。
ロドリゲス氏は、「これにより、利用者が判断を下すための材料を提供したい」と述べています。なお、この機能は主に正社員を対象としており、契約社員などについては、別の方法で正当な所属を証明できるようにする方針です。
さらに、リンクトインは外部企業との提携を拡大し、プラットフォーム外でも認証済みの身元を示せるようにする方針です。新たに電話帳アプリの「Truecaller」などが提携先として加わり、電話をかける際の発信者情報としてリンクトインの認証済み身元を表示できるようになります。
一連の新機能は、認証機能への投資を強化する同社の戦略の一環です。ロドリゲス氏は、「認証済みの利用者は、未認証のプロフィールと比較して投稿の閲覧数が平均で50%多く、インプレッション数も90%増加するなど、大きなメリットを得ている」と強調しています。
