アメリカのファッション誌「ヴォーグ」は、ファッションや芸術、音楽の大型イベント「ヴォーグ・ワールド」の来年の開催地を、IT企業が集積する西部カリフォルニア州のサンフランシスコに決定したと発表しました。IT業界の経営者らがファッション界においても影響力を強めている現状を反映しているとみられます。
ヴォーグの編集長を務めるアナ・ウィンター氏は声明で、サンフランシスコについて「多様なコミュニティーが共存し、芸術と創造性を愛する都市だ」と評価しました。そのうえで、「サンフランシスコの創造的な人材を支援し、エコシステム全体を強化していく」としています。
今回の決定の背景には、ファッション界とIT業界の有力者との結びつきが強まっていることがあります。今年開催された大規模なファッションイベント「メットガラ」では、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏と妻のローレン・サンチェス氏が主要スポンサーを務めました。また、グーグル創業者のセルゲイ・ブリン氏や、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者らも出席したということです。
さらに、オープンAIやメタなどのIT企業は、このイベントで1テーブルあたり35万ドル(約5400万円)の席を購入したとされています。IT業界からの参加者が目立ったことから、今年のメットガラは一部で「テック・ガラ」とも呼ばれました。
「ヴォーグ・ワールド」はこれまで、ニューヨークやロンドン、パリ、ミラノといった伝統的なファッション都市で開催されてきました。今回、AIなどの最先端技術の中心地であるサンフランシスコを選ぶことで、IT業界の資金力や影響力を取り込み、文化的な関心を高めるねらいがあるということです。
IT業界の従業員の服装は、これまでパーカーやフリースなどカジュアルなものが中心とされてきました。しかし近年では、ザッカーバーグ氏が高級ブランドのショーに出席したり、IT企業が独自のアパレル商品を展開したりするなど、ファッションへの関心が高まる傾向にあるとしています。
