アメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」は、対話型AI「ChatGPT」の公開後にインターネット上で作成されたウェブページの3分の1以上について、AIによって執筆された痕跡がみられるとする調査結果を発表しました。
同機関によりますと、インターネットインフラを提供する企業が最近、自動プログラムである「ボット」によるウェブ通信量が人間の通信量を上回ったと報告しており、今回の調査はウェブ上のコンテンツそのものの実態を浮き彫りにするものです。ウェブ上では現在、ボットが作成したページを別のボットが読み込んでいる状況が広がっているということです。
調査では、ウェブアーカイブを活用し、ChatGPTが公開された2022年11月以前からの約5年間にわたる英語のウェブページ約50万件を収集しました。そのうえで、専用の検出技術を用いて、AIによって執筆または大幅に編集された可能性が高いページを分析しました。
ある年の7月に収集された1万件のウェブページを無作為に抽出したところ、全体の約10%から「AIによって執筆された顕著な痕跡」が確認されたとしています。しかし、この抽出データにはAIツールが存在しなかった時期の古いページも含まれていました。
そのため、現在のウェブ空間の実態をより正確に把握するべく、ChatGPT公開後に作成されたページのみに絞って分析した結果、全体の35%にあたる3分の1以上のページでAIによる執筆の痕跡が確認されたということです。
ドメイン(インターネット上の住所)別の分析では、企業などが使う「.com」のページにおけるAI執筆の割合は、教育機関(.edu)や政府機関(.gov)の約10倍に上ることが分かりました。なお、教育機関や政府機関の割合は約1%、非営利団体など(.org)は約4.6%だったとしています。
調査に使用されたAI検出ツールは、人間が書いた文章を誤ってAIと判定する可能性もあり、分析は完璧ではないとしています。しかし、大規模なデータに基づく傾向としては、実態を正確に反映している可能性が高いと分析しています。
また、ダッシュ記号(—)や特定のコンマの用法、「XではなくYである」といったAI特有の言い回しの使用も、近年増加しているということです。
