AIを活用した議事録作成ツールを手がけるスタートアップ企業の「Fathom(ファゾム)」は、AIアシスタントをオンライン会議に参加させることなく、音声の文字起こしを行う新たな機能を導入したと発表しました。
近年、オンライン会議では、参加者がそれぞれ文字起こしや要約のためにAIアシスタントを参加させることが増えており、会議の参加者リストが混雑する課題が指摘されていました。Fathomは今回のアップデートにより、AIアシスタントを画面上に表示させることなく、参加するすべての会議の文字起こしを可能にすることで、この問題の解決を図るとしています。
ボットを使用しない文字起こし機能は、「Granola」や「Notion」、「ChatGPT」などのアプリですでに提供されています。Fathomはこうした競合ツールとの差別化を図るため、動画の録画機能を追加したほか、文字起こしのための複数の録音モードをユーザーが選択できるようにしたということです。
また、文脈を正確に把握するため、誰が発言したかを識別する機能の向上に注力したとしています。Fathomのリチャード・ホワイトCEOは、IT系メディアの取材に対し、「既存のボット不要ツールの多くは、誰が発言したかを記録していません。そのため、数か月前の会議についてAIに質問した際、発言者を誤って認識する問題が起きています」と指摘しました。
ホワイトCEOによりますと、同社は以前からボットを使用しない文字起こし機能の開発を目指しており、過去半年間のAIモデルの技術的な進歩によって今回の導入が実現したということです。
さらに今回のアップデートでは、AIを活用して過去の会議のデータベースを検索する機能も追加されました。これにより、企業はより広範な文脈をAIに学習させることが可能になります。あわせて、ユーザーが会議のデータを抽出し、他のAIツールと連携できるようにする「MCP(Model Context Protocol)サーバー」も公開する方針です。
競合の「Granola」をめぐっては最近、データベースの仕様変更により、文字起こしデータを利用したAIの作業プロセスが機能しなくなり、ユーザーから不満の声が上がっていました。
ホワイトCEOは、今後も文字起こしの精度向上に努め、ユーザーに多様な記録方法を提供する方針を示しました。また、対面での会議を録音できるスマートフォン向けアプリの開発も進めているということです。
