アメリカのAI(人工知能)開発企業「リカーシブ・スーパーインテリジェンス(Recursive Superintelligence)」は、アマゾン傘下のクラウドサービス「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」と、AIの計算処理基盤の利用に関する4億ドル(約620億円)規模の契約を結んだと発表しました。
同社は今年5月に6億5000万ドル(約1008億円)の資金調達を実施するとともに、事業内容を公開して本格的な活動を開始しました。現在は、人間の介入なしに自律的に性能を向上させる「自己改善型AIシステム」の開発に注力しており、これには膨大な計算能力が必要となります。今回の複数年契約は、システムの規模拡大に向けた柔軟な基盤を確保する狙いがあるということです。
今回投じられる4億1000万ドル(約635億円)は、同社がこれまでに調達した資金の大半を占める規模となります。しかし、同社のソッチャーCEO(最高経営責任者)はメディアの取材に対し、「今後数年間で結ぶ計算基盤の契約としては、今回がおそらく最も小規模なものになるだろう」と述べ、さらなる大型投資を続ける方針を示しました。
同社は、AIシステムによる製品開発プロセスの自動化を目指しています。このため、従来は人材確保や事業運営に充てられていた予算の大部分を、計算処理基盤に直接投資する戦略をとっています。ソッチャーCEOは「私たちにとって重要なのは、従業員の数ではなくAIエージェントの数だ」としています。
今回の契約には、大手AI企業でよく見られるようなアマゾンからの直接出資は含まれていません。一方で、AWSのジェイソン・ベネット副社長は「こうした企業に特化したインフラを共同開発することも合意の一部だ」と述べています。AWSとしては、大規模な支援体制を構築することで、他のAI基盤開発企業の取り込みにもつなげたい考えです。
AIが自律的に進化する「再帰的自己改善(RSI)」は、AI技術の飛躍的な進歩をもたらす転換点として長年注目されてきました。開発競争が激化し、技術的な要件についてさまざまな見方がある中、同社はRSIの技術を実際の製品開発に応用する目標を掲げています。
ソッチャーCEOは、年内にも最初の製品を発表する見通しを示しており、「10月ごろには、実際に触って使える実用的な製品を公開できるだろう」としています。
