アメリカ・サンフランシスコで開催された人工知能に関する大規模な国際会議で、自律的に業務をこなす「エージェントAI」の活用が焦点となる中、アメリカのAI開発企業「アンソロピック」が提供する「Claude(クロード)」が高い評価を集めていることがわかりました。一方で、競合する「オープンAI」は戦略の立て直しを迫られており、新たなサービスを展開して対抗する方針です。
サンフランシスコで今週開催された「HumanX AIカンファレンス」には、多数の技術者が参加しました。会議では、ビジネスやプログラミングの作業を自動化するエージェントAIが、業界をどのように変革しているかが主な議題となりました。参加者や出展企業の多くが、日常的に使用する対話型AIとしてアンソロピックの「Claude」を挙げ、高い関心を集めているということです。
一方で、これまで業界を牽引してきたオープンAIの「ChatGPT」については、勢いの低下を指摘する声が聞かれました。オープンAIは最近、1220億ドル(約18兆9100億円)規模の資金調達ラウンドを実施し、新規株式公開も視野に入れています。しかし、動画生成AI「Sora」などの開発を一時保留し、企業向けサービスやプログラミング支援に事業を集中させるなど、方針の転換を図っています。また、サム・アルトマン最高経営責任者の経営姿勢に対する一部メディアの否定的な報道や、ChatGPTへの広告導入の決定などが、企業イメージに影響を与えているとみられています。
こうした中、オープンAIの会長も務めるシエラ社のブレット・テイラー最高経営責任者は会議の対談で、「アルトマン氏は世界で最も注目されるリーダーの一人であり、批判が出るのは避けられない」と述べ、同氏のリーダーシップを擁護しました。現在、オープンAIとアンソロピックは収益面で拮抗しており、特に企業ユーザーの間でアンソロピックが猛追しているとされています。
オープンAIは競争力を維持するため、今週、プログラミング支援ツール「Codex」の利用枠を大幅に拡大した月額100ドル(約1万5500円)の新たな有料プランを発表しました。これは、アンソロピックのプログラミングツール「Claude Code」からユーザーを獲得する狙いがあるとしています。
オープンAIの企業向けアプリケーション担当幹部であるシュリニバス・ナラヤナン氏は会議で、「AIがソフトウェア開発に与える影響は、ここ数か月で劇的に変化した」と述べ、技術革新のスピードの速さを強調しました。AIの応用分野としてエージェント技術への期待が高まる中、企業が自動化ツールに業務を委ねる動きは急速に進んでおり、今後の市場競争はさらに激しくなる見通しです。
