元医師でハーバード大学の研修医だったジェニー・シャオ氏は、パンデミック中に孤立した人々が神経学的に影響を受け、支援を必要としていることを観察しました。この経験から、シャオ氏は医療のキャリアを離れ、AIアシスタント「Robyn」を提供するスタートアップを立ち上げたと発表しました。
Robynは、共感的で感情的な知性を持つAIとして設計されています。人間関係をAIで支援することは難しい分野であり、一般的なチャットボットと友人やアバターアプリ、さらにはセラピーアプリの間に位置づけられるとしています。アメリカのティーンエイジャーの72%がAIコンパニオンアプリを使用したという調査結果もありますが、これらのアプリが自殺に関与したとする訴訟も起きています。
シャオ氏はRobynを、友情アプリでもセラピストの代替でもない位置づけにしようとしていると述べています。「医師として、テクノロジー企業が医師の代わりをしようとして失敗する例を見てきました。Robynは決して臨床的な代替にはならず、あなたをよく知る人のような存在です」と語っています。
シャオ氏は、ノーベル賞受賞者であるエリック・カンデル氏の下で人間の記憶を研究した経験を活かし、Robynにユーザーをより深く理解させるための学びを組み込んだとしています。
RobynはiOSで利用可能で、ユーザーの目標や反応、希望する応答のトーンを尋ねるオンボーディングプロセスを備えています。オンボーディングが完了すると、ユーザーはさまざまなトピックについてRobynとチャットすることができます。そして、チャットを重ねるごとに、ユーザーのパターンや感情の特徴などについての洞察を提供します。
シャオ氏は、会社がユーザーの安全性を重視し、危機時には緊急連絡先を提供するなどのガードレールを設けていると述べています。
さらに、同社はM13主導で約8億5000万円(550万ドル)の資金を調達しました。Google Maps共同創設者のラース・ラスムッセン氏などが参加しています。ラスムッセン氏は、Robynの感情記憶システムに感銘を受けたと述べています。
Robynの大きな課題は、ユーザーの安全性を維持しつつ、チャットボットを人間のように見立てないようにすることです。M13のパートナーであるラティフ・パレチャ氏は、AIが家族や友人のように私たちの生活の一部となる中で、特に危険な状況への対処が必要だと述べています。
同社は数か月間、選ばれたユーザーとRobynをテストし、本日アメリカでのローンチを発表しました。アプリは有料で、月額約3100円(19.99ドル)または年額約3万1000円(199ドル)です。
