アメリカのメディア大手FOXの傘下で、動画配信サービスを手がける「Tubi(トゥービ)」は、対話型AI「ChatGPT」の内部で直接利用できる専用アプリの提供を開始したと発表しました。主要な動画配信サービスがChatGPT内に専用のシステムを構築するのは初めてだということです。
同社によりますと、このアプリを利用することで、視聴者は30万本以上の映画やテレビ番組の中から、好みの作品をより簡単に見つけることができるとしています。
利用者は、ChatGPTのアプリストアからTubiのアプリを追加し、「@Tubi」と入力して対話を始めます。「女子会向けのサスペンス映画」や「何か面白い作品」など、日常的な言葉で質問すると、即座にお勧めの作品が提案され、動画の配信ページへのリンクが表示される仕組みです。
動画配信業界では競争が激化しており、膨大なコンテンツの中から利用者に作品を見つけてもらうことが各社の課題となっています。ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどの競合他社は、自社のプラットフォーム内でAIを活用した推奨機能の実験を進めていますが、Tubiは外部のAIサービスを直接活用する方針をとりました。
Tubiは2023年にも、自社のスマートフォン向けアプリ内でChatGPTの技術を活用した推奨機能「Rabbit AI」を導入しましたが、翌年に提供を終了していました。今回の新たな取り組みは、自社でAIのシステムを開発するのではなく、すでに多くの人が利用しているプラットフォームにサービスを提供する戦略への転換を示しています。現在、ChatGPTの週間利用者は9億人に上り、Tubiの月間利用者も1億人を超えているということです。
またTubiはこれとは別に、新たな動画クリエイターを支援するプロジェクトを立ち上げたことも明らかにしました。このプログラムでは、同社で独占配信されるオリジナル番組に対し、宣伝や資金面での支援を行う方針です。
ChatGPTを開発するオープンAIは、昨年10月に外部の企業がChatGPT内でアプリを開発できる機能を導入しました。これまでに旅行予約サイトや音楽配信サービスなど、多くの企業がアプリの提供を始めています。
