アメリカ司法省は、北朝鮮のIT技術者が身分を偽ってアメリカ企業に雇用されるのを手助けし、およそ500万ドル(約7億7500万円)の不正な利益を得させたとして、アメリカ人2人に対し、それぞれ禁錮7年半と9年の実刑判決が言い渡されたと発表しました。
司法省の発表によりますと、ニュージャージー州に住むケジア・ワン被告とジンシン・ワン被告は、アメリカ国内で多数のパソコンを稼働させる拠点を運営していました。これにより、北朝鮮の技術者がアメリカ国内からアクセスしているように装うことができたということです。
この不正行為により、北朝鮮側はおよそ500万ドル(約7億7500万円)の利益を得たとされています。また、共謀者らが80人以上のアメリカ人の身分を盗み、「フォーチュン500」に名を連ねる大企業を含む100社以上のアメリカ企業で業務を請け負っていたということです。司法省は、北朝鮮の技術者が給与を得るだけでなく、企業秘密やソースコードを盗み出すケースもあったと指摘しています。
司法省の国家安全保障担当の幹部は、「この手口は、北朝鮮のIT技術者をアメリカ企業の給与体系やコンピューターシステムに入り込ませるものであり、国家の安全保障を損なうものだ」と強調しています。
検察によりますと、2021年から2024年にかけて、2人の被告らはダミー会社を設立し、得られた数百万ドルの資金を海外へ送金していました。その見返りとして、被告らを含むアメリカ国内の協力者6人は、合わせて70万ドル(約1億850万円)近くの報酬を受け取っていたということです。
司法省によりますと、ある事例では、カリフォルニア州のAI企業から輸出規制の対象となるデータが盗み出されたということです。これを受けて、アメリカ政府は、不正行為の阻止につながる情報に対し、最大500万ドル(約7億7500万円)の懸賞金を支払う方針です。
今回の摘発は、北朝鮮のIT技術者が身分を偽って欧米の企業に雇用されるという大規模な不正行為に対する、最新の法的措置となります。北朝鮮は、昨年だけで20億ドル(約3100億円)以上に上る暗号資産の窃取を行うとともに、こうした詐欺行為を通じて、厳しい経済制裁下にある体制の維持や兵器開発の資金を調達しているとされています。
こうした脅威に対抗するため、企業や採用担当者の中には、面接の際に北朝鮮の最高指導者を侮辱する言葉を言わせるといった独自の対策を講じるケースも出ているということです。北朝鮮国内ではこうした発言が違法とされており、インターネット上で拡散された面接の動画では、面接官からの要求に対して応募者が言葉に詰まり、最終的に通信を切断する様子が確認されています。
