アメリカのスタートアップ企業「Core Devices」は、独自の基本ソフト(OS)を搭載した新型スマートウォッチ「Pebble Time 2」を発売し、これまでに世界93か国で2万5000台以上を販売したと発表しました。価格は約3万4800円(225ドル)で、電子ペーパーを採用した画面や最長21日間持続するバッテリーなどが特徴だということです。
発表によりますと、「Pebble Time 2」は小型のコンピューターというよりも、カジュアルで遊び心のあるデザインを採用しています。他社の主要なスマートウォッチが有機ELディスプレイや高級感のある金属製バンドを採用するなか、本製品は64色のカラー電子ペーパーとシリコン製バンドを採用し、レトロな雰囲気を打ち出しています。
画面は常に表示される仕様ですが、手首を振るなどの動作でバックライトを点灯させることも可能です。直射日光の下でも視認性が高く、用途によっては1回の充電で約21日間使用できるとしています。
最大の特長は、独自のソフトウェアとユーザーコミュニティの存在です。「Pebble」はかつて別の企業として展開され、200万台を販売して約356億5000万円(2億3000万ドル)の売り上げを記録しましたが、資金繰りの悪化により事業の売却を余儀なくされました。その後、事業を引き継いだ企業もサポートを終了しましたが、熱心なユーザーコミュニティが自発的にシステムを維持してきた経緯があります。
そして2025年、創業者のエリック・ミギコフスキー氏がIT大手Googleに働きかけ、当時のOSをオープンソース化することに成功しました。同氏は新会社「Core Devices」を設立し、技術的な自立を目指して再び自社ブランドでの製品開発に乗り出す方針です。今年9月には第3弾となる製品の出荷も予定しているということです。
現在、同製品向けには開発者コミュニティによって2120種類以上の時計の盤面(ウォッチフェイス)やアプリが提供されています。AIを活用した対話型アプリのほか、健康管理、天気予報、交通機関の時刻表、ゲームなど、個人の特定のニーズに合わせた多様な機能が利用できるということです。
一方で、アプリの数が膨大であるため、目的の機能を探しやすくするための検索機能の向上が課題として指摘されています。
基本的な機能としては、スマートフォンに届いた通知の確認、音楽の再生操作、アラームのほか、歩数や睡眠、心拍数の計測などが可能です。また、本体側面に配置された4つの物理ボタンを使って、直感的に操作できる設計となっています。防水性能は日常生活での水濡れに対応するレベルだということです。
課題としては、スマートフォンの基本ソフト(iOS)との連携において、一部の機能が制限されることが挙げられています。しかし、機能が限定されていることで、利用者がデジタル機器の通知に過度に縛られず、適度な距離を保つことができるという評価も出ています。
同社は今後も数週間ごとにソフトウェアの更新を行い、ノイズキャンセリング機能の追加など、継続的に性能を向上させていく方針です。
