電子書籍リーダーを展開する「楽天Kobo」と、読書記録プラットフォームを提供する「StoryGraph(ストーリーグラフ)」は、両社のサービスを連携させ、利用者の読書状況を自動的に同期する機能を本格的に開始したと発表しました。
この連携は今年5月に発表され、今週からKoboのアカウントを持つすべての利用者を対象に提供が開始されました。
Koboの電子書籍リーダーや専用アプリで本を読み終えると、StoryGraphのアカウント上で自動的に「読了」と記録され、読書データが最新の状態に保たれるということです。この機能は電子書籍とオーディオブックの双方に対応しています。
これまでデジタル書籍市場では、アメリカのIT大手アマゾンが低価格の書籍と、自社で運営する読書コミュニティ「Goodreads(グッドリーズ)」を組み合わせることで、圧倒的なシェアを維持してきました。
これまでにも多くの競合サービスが登場しましたが、電子書籍端末との直接的な連携機能を持たなかったため、広く普及するには至りませんでした。今回、Koboが電子書籍リーダーとして初めてStoryGraphと連携したことで、アマゾンの市場支配に対抗する新たな動きとして注目されています。
StoryGraphは、利用者の読書傾向やペースなどを詳細なグラフで分析できる機能が特徴です。また、オンラインコミュニティを通じて読書目標の達成を目指す機能も備えており、読書の習慣化を促す仕組みとして支持を集めています。
2019年にイギリスの技術者らによって設立された同サービスは、外部からの資金調達を受けずに成長し、現在500万人以上の利用者を抱えています。今回の連携により、世界190か国に1200万人の利用者を持つKoboの顧客基盤に直接アプローチできることになります。
近年、SNS上のコミュニティなどを背景に、読書への関心が再び高まっています。アメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」によりますと、過去1年間に電子書籍を読んだアメリカの成人の割合は、2011年の17%から31%に増加しているということです。
こうした市場の拡大を背景に、電子書籍サービスを提供する新興企業がデジタル読書コミュニティを買収するなど、業界内での再編や連携が活発化しています。
今回のKoboとStoryGraphの連携機能は無料で利用できます。一方でStoryGraphは、より詳細なデータ分析や比較ツールなどを提供する月額5ドル(約775円)の有料プランも展開しているということです。
