アメリカの食品調理ロボット開発企業「シェフ・ロボティクス」は、人工知能を搭載したロボットアームによる食品の盛り付け回数が、累計で1億回を突破したと発表しました。同社は、従来の飲食店向けから大規模な食品製造工場向けに事業を転換したことで、実績を伸ばしているということです。
食品調理の自動化をめぐっては、これまで多くの新興企業が撤退を余儀なくされてきました。大手宅配サービスに買収された後に事業を停止したサラダ調理ロボット企業や、4億ドル(約620億円)を投じてピザの宅配事業の革新を目指したものの、2023年に破綻した企業などがその一例です。
こうした中、シェフ・ロボティクスのラジャット・バゲリア最高経営責任者は、人工知能を活用したロボットアームを用いて、大規模な食品製造における労働力不足の解消に取り組んでいます。当初は市街地の飲食店への導入を目指していましたが、早期に方針を転換しました。現在は大手食品メーカーや、アメリカ最大規模の学校給食提供業者などを顧客とし、事業を拡大しています。
同社によりますと、今回達成した「1億回」という数字は、ロボットが弁当などのトレイに食品の一部を盛り付けた回数を指すということです。大規模な機関向けの顧客を開拓したことで、稼働率は過去最高に達しているとしています。
バゲリア最高経営責任者は、次の事業戦略として、より小規模な厨房への展開を進める方針です。すでに世界最大規模の機内食提供会社と契約を結んだほか、宅配サービス向けの調理を専門とする店舗を持たない厨房への導入も計画しています。将来的には、飲食店や競技場、刑務所の厨房などにも事業を広げたいとしています。
さらに、これまでに蓄積した1億回に上る盛り付けのデータは、食品の取り扱いや包装を行う人工知能の学習に活用されているということです。形が不規則で扱いが難しい食品の性質に対応するため、技術の改良を続け、ロボットの性能向上と事業のさらなる拡大を目指すとしています。
