韓国政府は、国産のAI技術を強化するため、5つの地元企業に5300億ウォン(約820億円)を投資する計画を発表しました。この取り組みは、外国のAI技術への依存を減らし、国家安全保障を強化し、AI時代におけるデータの管理を強化することを目的としています。
韓国科学技術情報通信部が選んだ企業には、LG AIリサーチ、SKテレコム、ネイバークラウド、NC AI、スタートアップのアップステージが含まれています。政府は6か月ごとに進捗をレビューし、成果を上げた企業に資金を継続し、最終的に2社を残して国のAI推進をリードさせる方針です。
LG AIリサーチは、LGグループの研究開発部門であり、Exaone 4.0というハイブリッド推論AIモデルを提供しています。このモデルは、広範な言語処理と高度な推論機能を組み合わせており、実際の産業データを活用してさらなる改善を目指しています。LGは、AIモデルをAPIを通じて提供し、ユーザーから生成されるデータを活用してモデルを改善する戦略を取っています。
一方、SKテレコムは、個人AIエージェント「A.」を2023年末に開始し、今年7月には新しい大規模言語モデル「A.X」を発表しました。A.Xは、韓国語の入力を効率的に処理することができ、AIを日常生活に直接組み込むことを目指しています。また、AIインフラストラクチャの構築にも投資しており、AWSと協力して新しいハイパースケールAIデータセンターを建設しています。
ネイバークラウドは、2021年に大規模言語モデル「HyperClova」を導入し、今年は「HyperCLOVA X」を発表しました。このモデルは、検索、ショッピング、地図、金融などのコアサービスにAIを組み込み、実際のデータを活用してサービスを提供しています。ネイバーは、AIモデルの「レシピ」を完成させ、資本を確保することが重要であるとしています。
アップステージは、このプロジェクトに参加する唯一のスタートアップであり、「Solar Pro 2」モデルを開発しています。このモデルは、韓国のベンチマークで優れた性能を示し、実際のビジネスインパクトに焦点を当てています。アップステージは、金融、法務、医療などの産業向けに特化したモデルを開発し、「AIネイティブ」スタートアップによる韓国AIエコシステムの構築を目指しています。