音声AI企業のWisprは、音声入力アプリ「Wispr Flow」の成功を受け、Notable Capital主導で約40億円(約25百万ドル)を調達したと発表しました。この資金調達により、Wisprの累計調達額は約125億円(約81百万ドル)に達しました。情報筋によれば、同社の企業価値は約1,085億円(約700百万ドル)に達しているということです。
WisprのCEOであるタナイ・コタリ氏は、6月以降、「Wispr Flow」は月次で40%成長を遂げていると述べています。また、ベンチャーキャピタルのコミュニティ内でも非常に人気があるとしています。
さらに、Wisprは国際展開と新製品の機会を模索しており、追加の資金により、OpenAIやAnthropicのような企業に流れる可能性のあるトップの機械学習人材を採用できる見込みです。
同社はまた、Windows、Mac、iOS以外のプラットフォームでも「Flow」アプリを利用可能にすることを目指しています。年末までにAndroidアプリのベータ版を公開し、2025年第1四半期には安定版をリリースする予定です。
Wisprは、ユーザーの音声をよりよく理解するために、独自の音声モデルの開発に投資する方針です。これにより、ユーザーが音声入力後に行う修正の数を減らすことを目指しています。
現在、「Wispr Flow」のエラー率は約10%で、OpenAIのWhisperの27%やAppleのネイティブトランスクリプションの47%よりも低いとしています。
Wisprはすぐに消費者向けアプリケーションを超えて拡大することは考えていませんが、一部の企業やハードウェアパートナーと技術を試験的に共有しており、来年にはより多くの開発者に公開する予定です。
音声入力分野では、他にもYCが支援するWillowやAqua、Everyのサブスクリプションバンドルの一部であるMonologue、Typeless、TalkTastic、Superwhisper、BetterDictationなどのアプリが競合しています。
NotableのHans Tung氏は、Wisprが単なる音声入力ツールを超えて、音声主導のオペレーティングシステムとしてワークフローの自動化を目指している点を評価していると述べています。彼は、Wispr Flowがインターフェースとユーザー体験の拡張において大きな潜在力を持っていると見ています。
