ASTスペースモバイルは、ベライゾンと提携し、アメリカ全土で宇宙ベースのセルラーブロードバンドを提供する契約を締結したと発表しました。これは、同社にとってこれまでで最も重要なパートナーシップであり、新興の宇宙対セル市場でのシェア拡大を目指す最新の動きです。
この契約に基づき、ベライゾンはASTの衛星ネットワークをその地上インフラに統合し、ベライゾンの850MHzスペクトラムを活用して、基地局が届かない地域でのカバー範囲を拡大する方針です。契約の詳細は明らかにされていません。
この契約は、昨年発表された両者の提携に基づくもので、ベライゾンはASTのサービス展開を支援するために1億ドル(約155億円)を投資することを約束していました。
ベライゾンは、ボーダフォンとの10年間の契約に続き、ASTと契約した2番目の主要キャリアです。ASTにとって、この契約は、修正を加えていない携帯電話と直接リンクするよう設計されたブルーバード衛星コンステレーションの展開を急ぐ中での重要な時期に行われました。
現在、同社は最初の5機のブルーバード衛星を低軌道に成功裏に投入しており、これらはアメリカ全土に「断続的な」カバーを提供することを目的としています。一方、ASTは次世代の衛星「ブロック2」の組立を進めており、2026年までに45〜60機の衛星を展開する計画です。
このパートナーシップは、衛星対セル市場が急速に進化していることをも示しています。スペースXは、スターリンクネットワークを通じて、Tモバイルと直接セルサービスを展開し始めており、最近ではエコスターから1,700億円相当の無線スペクトラムを取得することでその野心をさらに強化しました。
ASTはすでに、衛星とスマートフォン間での4Gおよび5G接続を実証しており、音声通話やビデオ通話を含むテストの成果により、ネットワークの能力が「証明された」としています。しかし、同技術を数百万人のユーザーに提供するためのスケーリングという課題も残っています。
契約発表後、ASTの株価は水曜日に15%以上上昇しました。
