アメリカのトランプ大統領は、移民対策を主要な政策の一つとして掲げ、前例のない数の強制送還を実施する方針を発表しました。
CNNによれば、大統領就任から8か月間で約35万人が強制送還されました。この中には、移民・税関執行局(ICE)による約20万人、税関・国境警備局(CBP)による13万2千人以上、そして約1万8千人の自己送還が含まれています。
ICEは、トランプ政権の大量送還キャンペーンの中心的存在となり、住宅や職場、公園での捜索を行っています。この取り組みを支えるため、ICEは個人やコミュニティを特定し監視するための技術を活用しています。
その中でも、ICEは「セルサイトシミュレーター」と呼ばれる技術を使用して携帯電話を監視しています。これらの装置は、携帯電話の基地局のように見せかけて、近くの携帯電話を接続させます。接続が完了すると、法執行機関はその周辺の携帯電話を特定し、通話やメッセージ、インターネットトラフィックを傍受する可能性があります。
この技術は「スティングレイ」や「IMSIキャッチャー」としても知られています。近年、ICEはTechOps Specialty Vehicles(TOSV)との契約を結び、法執行機関向けにカスタマイズされた車両を提供しています。この契約には、TOSVが「セルサイトシミュレーター車両」を提供するという内容が含まれています。
また、ICEはClearview AIとの契約を結び、顔認識技術を活用して法執行を支援しています。最近の契約は3.75百万ドル(約5億8千万円)相当であり、児童性的搾取事件や法執行官に対する攻撃の被害者や加害者を特定する能力を提供するということです。
さらに、ICEはイスラエルのスパイウェアメーカーParagon Solutionsとも契約を結んでいますが、これは現在、政府の商業スパイウェア使用に関する大統領令に基づき見直し中です。
ICEはまた、Magnet Forensicsとの契約を通じてデジタル証拠の回収や分析を行うためのソフトウェアライセンスを取得しています。この契約は3百万ドル(約4億6千万円)相当です。
最後に、ICEはPenlink社の「Tangles」と「Webloc」という2つの監視ツールの使用権を購入しています。これらのツールは、携帯電話の位置情報やソーシャルメディアの情報を検索する機能を持っています。
これらの技術を活用することで、ICEは移民に対する監視と捜査を強化しています。
