MacroCycleは、プラスチックリサイクルにおいて新しい手法を開発したと発表しました。この手法により、再生プラスチックを新素材と同等のコストで提供することが可能になるとしています。
プラスチックのリサイクル率は世界的に約9%にとどまっており、特に繊維製品のリサイクル率は0.5%とさらに低いということです。繊維製品は複数の素材で構成されていることが多く、ボタンやジッパー、スパンデックスなどがリサイクルを難しくしています。
MacroCycleの共同創設者でCEOのスチュワート・ペーニャ・フェリス氏は、「廃棄物には無数の汚染物質が含まれているため、リサイクルの課題は予測不可能な点にある」と述べました。
MacroCycleは、廃棄繊維から有用な合成繊維を抽出し、他の部分を残す新しい手法を開発しました。これにより、再生プラスチックを新素材と同等のコストで提供することが可能になるとしています。
ペーニャ・フェリス氏は、以前ExxonMobilの化学リサイクル施設で働いていた経験から、プラスチックリサイクルの課題をよく理解しています。この施設では、熱を用いてプラスチックを分解する方法が採用されていましたが、エネルギー消費が多く、二酸化炭素の排出も多いとされています。
MacroCycleは、プラスチックのポリマーを分解せずに、ポリマー鎖を自らの環に戻す方法を採用しています。この方法により、エネルギー消費を80%削減できるとしています。
現在、MacroCycleは大規模なリアクターを設置中で、顧客にサンプルを提供するための100キログラムのバッチを生産できるようになる予定です。ファッションブランドからの関心も集めており、収益を上げ始めているということです。
ペーニャ・フェリス氏は、「私たちの技術が経済的に非常に魅力的であるため、業界内での採用が進むことを期待しています」と述べています。
MacroCycleの技術や他のスタートアップのプレゼンテーションを直接聞くことができるイベント「TechCrunch Disrupt 2025」は、10月27日から29日にサンフランシスコで開催される予定です。
