OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者は、同社が開発したサイバーセキュリティ分野の人工知能ツール「Cyber」について、重要なサイバー防衛の担当者を対象に、数日以内に「GPT-5.5 Cyber」の提供を段階的に開始すると発表しました。
アルトマン氏は米国時間の木曜日、X(旧ツイッター)への投稿でこの方針を明らかにしました。OpenAIは公式ウェブサイト上に申請フォームを設けており、利用を希望する人は自身の資格情報や利用目的などを提出したうえでアクセスの審査を受ける仕組みとしています。
申請フォームの内容によりますと、「Cyber」はペネトレーションテスト(侵入テスト)、脆弱性の特定および検証、マルウェアのリバースエンジニアリングといった作業を実行できるということです。企業がセキュリティ上の欠陥を発見し、防御機能を検証するためのツールキットとして設計されているとしています。一方で、悪意ある第三者に悪用されるリスクがあるとして、慎重な運用が求められています。
こうした対応は、アルトマン氏がアンソロピック社のサイバーセキュリティAIツール「Mythos」に対してとった姿勢と対照的です。アンソロピック社が「Mythos」を一部の限られたユーザーにのみ公開した際、アルトマン氏はその方針を「恐怖心を利用したマーケティング戦略だ」と批判していました。一部の専門家からも、アンソロピック社の説明は誇張されているとの指摘が上がっていました。さらに、許可を受けていないグループが「Mythos」へのアクセスに成功したと報じられており、制限の実効性についても疑問の声が出ていました。
OpenAIは今後、米国政府と連携しながら、正規のサイバーセキュリティ資格を持つユーザーを幅広く認定することで、「Cyber」の提供範囲を拡大していく方針です。
