アメリカのAIコーディングスタートアップ、Replitは、設立から16年を経て市場を確立したと発表しました。CEOのアムジャド・マサド氏によると、同社は今年初めに2億5000万ドル(約3875億円)の資金調達を完了し、評価額を3倍に増やしました。
Replitの成長は、年間収益が昨年の280万ドル(約43億円)から1億5000万ドル(約2325億円)に急増したことによるもので、これは同社の16年間の努力の結晶だとしています。マサド氏は、プログラミングをより多くの人にアクセスしやすくすることを目指しており、最終的には10億人のプログラマーを創出するという大胆な目標を掲げています。
Replitは2016年に設立され、長い間製品市場への適合を模索していました。技術的なインフラを構築しつつも、収益の伸び悩みが続き、昨年には社員数を半減する決断を余儀なくされました。しかし、昨年秋に「Replit Agent」を導入し、非技術者向けの新しい市場にシフトしました。
この戦略の転換は成功を収め、Replitは現在、企業向けの契約で80%から90%の利益率を達成しているということです。さらに、Andreessen HorowitzのAI支出レポートで、ReplitはAIネイティブアプリケーションレイヤー企業の中で第3位にランクインしました。
一方で、Replitは依然として競争の激しい市場に直面しています。AnthropicやOpenAIなどのAIラボが直接競合する製品を展開しており、Replitの優位性は非技術者をターゲットにしたことと、独自のインフラにあるとしています。また、Replitは3億5000万ドル(約5425億円)の資金を持ち、効率的な資本運用を行っています。
マサド氏は、今後の計画として、事業の拡大、製品開発の加速、買収の追求を掲げていますが、現在の成功が永続的であるとは限らないと考えています。彼は「この状況もいずれ過ぎ去る」と述べ、冷静な姿勢を崩していません。