台湾の半導体メーカーTSMCは、アリゾナ州における第2および第3工場の建設を加速する方針を発表しました。これにより、アップルのチップが米国でより多く生産されることになります。
TSMCは、より先進的なプロセスを予定より早く米国に導入し、最近のアップル製品向けのチップを製造できるようにするということです。アップルは2022年に「メイド・イン・アメリカ」チップの計画を発表しており、これは米国のCHIPS法の成功事例の一つとされています。この計画に基づき、TSMCはアリゾナ州に複数のチップ製造工場を建設し、その一部はアップルのチップ生産に充てられます。
TSMCは、最先端のチップ製造能力を台湾に限定しており、米国の工場では旧型のアップル製品向けのチップしか製造できませんでした。しかし、今後は開発ペースを加速し、3世代前の製品向けのチップを製造できるようにする方針です。
TSMCは4月に第3工場の建設を開始し、アップルのティム・クックCEOはこの施設の最初の顧客となることを誇りに思うと述べました。また、最近ではアリゾナ州の第1工場内部の様子が公開されました。
TSMCの張忠謀会長兼CEOは、アリゾナ州での2ナノメートルおよびそれ以上の先進的なチップ生産能力の約30%を確保し、米国における独立した最先端の半導体製造クラスターを形成する計画を明らかにしました。
当初、米国でのチップ生産の意義については懐疑的な見方もありました。というのも、チップの製造はプロセスの一部に過ぎず、実際には複数のチップを組み合わせる「パッケージング」という工程が必要です。米国で製造されたチップを台湾に送り返してパッケージングする予定でしたが、TSMCは米国内に自社のパッケージング施設を設けることを決定しました。現在、2つの施設が計画されています。