イーロン・マスク氏が率いるSNS大手の「X(旧ツイッター)」は、ユーザーの関心を引くことを目的とした「クリックベイト」や、ニュースの無断転載を大量に投稿するアカウントに対する収益分配を削減したと発表しました。
Xのプロダクト責任者であるニキータ・ビアー氏は、今回の支払いサイクルにおいて、他のコンテンツをまとめる「アグリゲーター」と呼ばれるアカウントへの支払いを従来の60%に減額したことを明らかにしました。さらに、次回のサイクルではさらに20%削減する方針だということです。また、すべての投稿に「速報」などの言葉を多用してユーザーの注意を引こうとするアカウントへの支払いも減らすとしています。
ビアー氏はこの措置の背景について、「他人の投稿の無断転載やクリックベイトを毎日大量に投稿してタイムラインを埋め尽くす行為が、本来のクリエイターを排除し、新規ユーザーの成長を阻害していることが明確になったためだ」と説明しています。さらに、「Xが言論の自由や情報到達の機会を制限することはないが、プログラムやユーザーを操作するような行為に対しては対価を支払わない」と強調し、クリエイター支援の適正化を図る姿勢を示しました。
今回の発表に先立ち、保守派のニュースアカウントを中心に、Xから収益化の停止を通知するメールを受け取ったという報告が相次いでいました。陰謀論などの投稿で知られ、160万人のフォロワーを持つドミニク・マギー氏もその一人です。マギー氏は以前、アメリカのメディアに対し、Xを通じて年間5万5000ドル(約850万円)の収益を得ていると語っていました。同氏は今回の措置に対し、「自分はXで最も熱心に活動しているクリエイターの一人だ」と不満を表明しています。
マギー氏は「速報」という言葉の多用を否定していますが、他のユーザーから「過去1週間で91回も使用している」と指摘される一幕もありました。また、ほかにもアグリゲーターではないと主張するユーザーから、収益分配が大幅に減少したとの声が上がっています。
一方で、Xのプラットフォームとしての価値をめぐる議論も再燃しています。データ分析の専門家であるネイト・シルバー氏は、Xから他のウェブサイトへアクセスを誘導することが困難になっていると指摘し、特定の政治的傾向を持つアカウントが優遇されていると批判しました。これに対し、マスク氏やビアー氏はシルバー氏のデータを否定していますが、他の専門家の分析でもシルバー氏の主張を裏付ける結果が示されているということです。
