YouTubeは11月4日、著作権申し立てを受けた動画のBGMを、AIが生成したロイヤルティフリーの楽曲に置き換える「楽曲を置き換え」ツールを、世界中のクリエイター向けに提供開始しました。これまでは米国で試験的に導入されていました。動画クリエイターがBGMの著作権処理を簡単に行えるようにする狙いがあります。
ポイント
- YouTubeが「楽曲を置き換え」ツールを全世界で提供開始
- 著作権申し立てを受けた音声を、AIが生成した4曲のインストゥルメンタルBGMから選んで置き換え
- 置き換え後はContent IDの申し立てが自動的に取り消される
- 現時点ではインストゥルメンタル曲のみ対応で、ボーカルや完成楽曲の生成は不可
ツールの仕組みと操作
クリエイターが音声の著作権申し立てを受けると、ツールが即座に4曲のロイヤルティフリーのインストゥルメンタルBGMを生成します。このBGMを使って著作権で保護された音声を置き換えると、対応するContent IDの申し立ては自動的に取り消されます。
操作はYouTube Studioの「楽曲を置き換え」から、「提案」タブの「作成」ボタンを開くだけです。それぞれ約3分のインストゥルメンタル曲が4曲表示され、タイムライン上でループ試聴したり、ドラッグして音量を調整したりできます。
各曲はAIによって即時に生成され、互いに独立しています。既存の曲ライブラリのどれとも似ていないため、二次侵害を根本から避けられるということです。
対応範囲と今後の課題
YouTubeはこの機能について、動画本来の雰囲気を壊さずに、クリエイターが素早く適法なBGMへ交換できるようにするものだと説明しています。著作権申し立てが制作のテンポを妨げる度合いを最小限に抑える考えです。
背景には、プラットフォームが生成AIでクリエイターのコンプライアンスを支援するという方針があります。後から動画を削除するより、事前に楽曲を差し替えるほうがよいというわけです。
ただし、現時点ではインストゥルメンタル曲しか生成できません。ボーカルには対応しておらず、完成した楽曲も作れません。AIは伴奏のコンプライアンスは担えても、曲を書く作業まではまだ代われない状況です。