アメリカのベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツは、AIスタートアップ「Cluely」に対し、シリーズAラウンドで1500万ドル(約23億円)の資金を提供したと発表しました。この発表に対し、一部の人々からは、Cluelyが提供する製品の倫理性について批判が寄せられています。
Cluelyは「すべてをチートする」製品を開発していると主張しており、注目を集めるためのマーケティング手法でも知られています。アンドリーセン・ホロウィッツのパートナーであるブライアン・キム氏は、AI時代には新しいマーケティング戦略が必要であると考えており、Cluelyの創業者ロイ・リー氏に会う前からその重要性を感じていたということです。
キム氏は、かつては優れた機能を持つ「職人技」の製品を作ることがスタートアップの成功の鍵だと考えていたとしています。しかし、生成AIの出現により、優れた製品を提供するだけでは不十分であると気づいたということです。
キム氏は「もしあなたがこの製品を作っても、OpenAIなどがその一部を製品に組み込む新しいモデルを開発したら、終わりです」と述べ、スピードが成功の鍵であるとしています。
今月初め、キム氏は、消費者向けAIスタートアップにおいて「勢いが防御策である」とする理論を発表しました。Cluelyの創業者リー氏と会った際、同社が注目を支払い顧客に変換できたことを確認したキム氏は、理論に合致する創業者を見つけたと感じたということです。
リー氏は、TikTokやInstagramでバイラルになる理由を研究したと述べています。「アルゴリズムは最も議論を呼ぶものを促進します」と語り、その原則をXとLinkedInで応用しているとしています。
Cluelyは、4月に製品がほとんど機能していない状態で発表されましたが、その後も注目を集め続けています。公式発表は6月27日金曜日に予定されているとリー氏はXで投稿しました。
キム氏は、Cluelyのアプローチを「勢いが防御策である」という理論の完璧な具現化と見ています。AIの世界では時間が重要であり、Cluelyが製品をうまく開発できると確信しています。
「崖から落ちながら飛行機を作るようなものです」とキム氏は述べ、今後の展開に注目が集まります。