ベンチャーキャピタルのa16zは、2024年に入ってからワシントンで約2億3100万円(149万ドル)のロビー活動費を費やしたと発表しました。これは、同社の業界団体である全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)の1億5700万円(140万ドル)をわずかに上回っています。
テッククランチの調査によれば、a16zのロビー活動は前年から加速しているということです。2024年には総額2億7900万円(180万ドル)、2023年には1億4700万円(95万ドル)を費やしました。
a16zのロビー活動戦略は、他の主要VC企業と比べて際立っています。セコイア・キャピタルは年初から約1860万円(12万ドル)、ジェネラル・キャタリストは約7750万円(50万ドル)を報告しています。
a16zの広報担当者は、同社の共同創業者が執筆した政策に関する記事を指摘しました。2023年12月の記事では、共同創業者のベン・ホロウィッツ氏が「楽観的な技術主導の未来を支持する候補者を支持し、重要な技術を抑制しようとする者には反対する」と述べています。
同社の内部ロビーチームは、デジタル資産規制、ステーブルコイン、AIなど幅広い問題で議員に影響を与えることを目指しています。特に、国防政策においても影響力を強化しようとしているということです。2023年第3四半期の報告書では、国防権限法が特定のロビー活動課題として初めて明記されました。
2024年第2四半期の報告書では、国家安全保障会議が初めて登場し、今年もそのリストに残っています。これは、金融と技術に関する問題を国家安全保障の観点から捉えていることを示しています。
同社の共同創業者であるマーク・アンドリーセン氏とホロウィッツ氏は、前回の選挙でドナルド・トランプ大統領を支持しましたが、内部の政策チームは超党派であり、両党から政府関係者を採用しています。
支出の増加は、a16zが防衛産業や産業基盤など規制された産業に積極的に進出している背景にあります。特にAIなどの技術に焦点を当てています。先週、元国家安全保障副補佐官のアン・ノイバーガー氏が「アメリカン・ダイナミズム、AI、サイバー」に焦点を当てた上級顧問として加わったとホロウィッツ氏が述べています。
ロビー活動費が影響力と直結するわけではありません。たとえば、ファウンダーズ・ファンドはほとんど連邦ロビー活動を報告していませんが、国防総省やホワイトハウスへの影響力は大きいということです。政治活動委員会(PAC)を通じた資金提供も行っており、最近ではAIを推進する新しいPACネットワーク「Leading the Future」を支援していると報じられています。