企業向けのシステム開発を支援するAIエージェントを手がけるアメリカの新興企業「Factory」は、新たに1億5000万ドル(約233億円)の資金を調達したと発表しました。これにより、同社の企業価値は15億ドル(約2325億円)と評価されたということです。
生成AIの登場から3年以上が経過する中、AIを活用したプログラミング支援は、依然として最も需要が高く、収益性の高い分野となっています。現在、アメリカの「Anthropic(アンスロピック)」や「Cursor(カーソル)」、「Cognition(コグニション)」など複数の企業が市場の覇権を争っていますが、投資家は新たな企業が参入する余地が十分にあるとみています。
今回の資金調達は、ベンチャーキャピタルの「Khosla Ventures(コースラ・ベンチャーズ)」が主導し、「Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)」や「Insight Partners(インサイト・パートナーズ)」、「Blackstone(ブラックストーン)」などが参加しました。これに伴い、コースラ・ベンチャーズのマネージング・ディレクターであるキース・ラボイス氏が同社の取締役に就任したということです。
Factoryの創業者であるマタン・グリンバーグ氏は、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、同社の事業戦略について説明しています。それによりますと、アンスロピックの「Claude(クロード)」や中国のAI企業「DeepSeek(ディープシーク)」など、異なる基盤モデルを柔軟に切り替えて利用できる点が最大の強みだとしています。ただ、競合するカーソルなどの新興企業も、単一のモデルに依存しない仕組みを採用しているということです。
同社はすでに、金融大手のモルガン・スタンレーや、コンサルティング大手のEY(アーンスト・アンド・ヤング)、サイバーセキュリティ大手のパロアルトネットワークスなどの技術チームを顧客として獲得しています。
同社は2023年に設立されました。カリフォルニア大学バークレー校で博士課程の学生だったグリンバーグ氏が、セコイア・キャピタルのパートナーであるショーン・マグワイア氏に直接メールを送ったことがきっかけだということです。2人は物理学の同じ分野を研究していたことから意気投合し、マグワイア氏の勧めでグリンバーグ氏は大学を中退して起業する方針を固めました。設立当初のシード段階から、セコイア・キャピタルが資金面での支援を行ってきたということです。
