AIモデルを訓練するクラウドサーバーを提供するCoreWeaveは、企業が強化学習を用いてカスタマイズされたAIエージェントを開発することを支援するスタートアップ、OpenPipeを買収することで合意したと発表しました。OpenPipeは、Y Combinatorの支援を受けて設立された2年目の企業です。
CoreWeaveの共同創設者であるブライアン・ヴェンチューロ氏は、TechCrunchへの声明で「強化学習は、エージェントや推論タスクのモデル性能を強化するための重要な力として浮上しています。OpenPipeの高度な自己学習ツールとCoreWeaveの高性能AIクラウドを組み合わせることで、AIラボなどの開発者にとって、スケーラブルな知能システムを構築する上で重要な利点を提供するプラットフォームを拡大しています」と述べています。
CoreWeaveとOpenPipeは、取引の条件を明らかにしていません。シアトルに拠点を置くOpenPipeは、2024年3月に670万ドル(約10億4000万円)のシードラウンドを調達し、Costanoa Ventures、Y Combinator、Google DeepMindのローガン・キルパトリック氏、GitHubの共同創設者トム・プレストン=ワーナー氏、GitHub Copilotの共同制作者アレックス・グレイブリー氏などの支援を受けました。
この買収は、CoreWeaveがAI開発プラットフォーム「Weights & Biases」を3月に買収した後、スタック全体の拡大を目指す最新の試みです。OpenPipeは、AIエージェントを作成するためのオープンソースのツールキット「ART(エージェント強化トレーナー)」を開発しています。CoreWeaveの大口顧客にはOpenAIなどの主要なAIラボが含まれますが、同社は中小企業にもアピールしようとしています。
強化学習を中心にしたエンタープライズ製品を構築するAIラボやスタートアップが増加しています。強化学習は、AIモデルが特定のタスクでの性能を向上させる強力な方法であり、これらのエンタープライズ製品のアイデアは、企業のニーズに特化したAIエージェントを訓練することにあります。
このような顧客特化型の訓練には多くのコンピューティングリソースが必要です。OpenPipeを買収することで、CoreWeaveはこのようなサービスを提供し、強化することを目指しています。OpenPipeのチームはCoreWeaveに加わり、OpenPipeの顧客はCoreWeaveの顧客となるということです。