インドのスタートアップ、FirstClubは、迅速な商取引が主流となる中、プレミアム路線を選択し、設立から3カ月で評価額を3倍にしたと発表しました。
FirstClubは、シリーズAラウンドで2300万ドル(約36億円)を調達し、評価額は1億8600万ドル(約240億円)に達しました。このラウンドは、既存の投資家であるAccelとRTP Globalが主導し、Blume Founders Fund、2am VC、Paramark Ventures、Aditya Birla Venturesも参加しました。昨年12月に4000万ドル(約62億円)の評価額で800万ドル(約12億円)のシードラウンドを調達してから8カ月後のことです。
インドの電子商取引市場は世界第2位の規模を誇り、総商品価値(GMV)が約600億ドル(約9兆3000億円)に達し、2030年までに年間18%の成長を続け、1700億〜1900億ドル(約26兆〜31兆円)に達するとBain & Companyの報告書で予測されています。最近の数カ月で市場は、2〜3日かかる従来の電子商取引から、迅速な商取引へのシフトが進んでおり、AmazonやWalmart傘下のFlipkartも迅速な配送サービスを提供し始めました。
しかし、FirstClubはスピードよりも品質に注目し、インドの上位10%の家庭、約2000万世帯をターゲットにプレミアム商品とキュレーションされた体験を提供する方針です。
今年6月にサービスを開始したFirstClubは、現在、ベンガルールの一部地域で「クラブハウス」と呼ばれる4つのダークストアを通じてサービスを提供しています。これらのダークストアは、オンライン注文専用のフルフィルメントセンターで、4000以上の厳選された商品を取り扱っています。
FirstClubの創業者兼CEOであるAyyappan氏は、「過去3カ月のデータから、消費者は差別化された選択肢、良質な商品、差別化されたサービス、そして手厚い体験を得られるなら、待つことを厭わないことが明らかです」と述べています。
同社は現在、平均注文額が約1050ルピー(約1600円)で、主要な迅速商取引プラットフォームの約2倍の金額であり、リピート購入率は60%に達しているということです。
FirstClubは、今後6カ月以内に家庭用品や一般商品カテゴリーにも進出する方針です。さらに、ベンガルールでのクラブハウスを35カ所に拡大し、新しい都市にも進出する計画です。
現在、FirstClubの従業員数は185人で、そのうち75人がオペレーションスタッフです。