イスラエルのNeoLogic社は、AIサーバー向けの省エネ型CPUを開発する方針を発表しました。設立者のアビ・メシカ氏とジヴ・レシェム氏は、業界の多くの人々からそのアイデアは実現不可能と言われたと述べています。
メシカ氏は「多くの人々がそれは不可能だと言いました。論理合成や回路設計では革新できないというのです」と語っています。しかし、NeoLogic社はそれを覆すべく、より少ないトランジスタと論理ゲートを用いて高速かつ省電力で動作するサーバーCPUの開発に取り組んでいます。
NeoLogic社は2021年に設立され、メシカ氏がCEO、レシェム氏がCTOを務めています。両氏は半導体業界で50年の経験を持ち、レシェム氏はインテルやシノプシスでチップ設計に従事してきました。
メシカ氏は「ムーアの法則が終わったため、4年以上前にこの会社を共同設立しました」と述べています。トランジスタの縮小は限界に達しているというのが業界の見解ですが、NeoLogic社はそれに納得せず、サーバーCPUの設計を進めています。
同社は2つのハイパースケーラー企業と協力しており、今年末までに単一コアのテストチップを完成させ、2027年までにデータセンターへの導入を目指しています。
最近、NeoLogic社はKOMPAS VCが主導するシリーズAラウンドで1,550万ドル(約24億円)を調達しました。この資金はエンジニアリングチームの拡大とCPUの開発に充てられる予定です。
この資金調達は、AIの急成長に伴いデータセンターの電力使用量が今後4年間で倍増すると予測される中で行われました。メシカ氏は「省エネの可能性が市場に無視されないことを期待しています」と述べています。
次世代のデータセンターにおける省エネ効果は、建設コストや資本投資額に影響を与えるとされ、約30%のコスト削減が可能だとしています。また、水の使用量にも影響を及ぼし、社会全体に影響を与えるとしています。