NVIDIAのCEO、ジェンセン・フアン氏は、サンフランシスコで開催されたモルガン・スタンレーの技術、メディア、電気通信会議において、同社がOpenAIとAnthropicへの投資を今後控える方針を発表しました。両社が今年後半にIPOを予定していることから、投資機会は閉ざされるということです。
NVIDIAは、両社に対してチップを販売して収益を上げており、追加の投資による利益増加の必要はないとしています。NVIDIAの広報担当者は、フアン氏の発言に関するコメントを求められた際、同社の第4四半期の決算説明会のトランスクリプトを指摘しました。そこでは、NVIDIAのすべての投資が「エコシステムの拡大と深化に戦略的に集中している」と述べられており、これまでの投資がその目的を達成したとしています。
しかし、これらの投資撤退の背景には、他の要因もあるかもしれません。NVIDIAが昨年9月に発表したOpenAIへの最大1兆5500億円(1000億ドル)の投資計画は、最終的に3300億円(300億ドル)に縮小されました。この背景には、投資とチップ購入が循環的な関係にあることが指摘されています。
また、Anthropicとの関係も緊張感があると見られています。NVIDIAが昨年11月に1兆5500億円(100億ドル)の投資を発表した直後、AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイ氏は、米国のチップ企業が中国の顧客に高性能AIプロセッサを販売する行為を「北朝鮮に核兵器を売るようなもの」と批判しました。
その後、トランプ政権はAnthropicをブラックリストに追加し、連邦機関や軍事請負業者が同社の技術を使用することを禁止しました。一方、OpenAIは国防総省との契約を結び、これに対しAnthropicは「虚偽の行為」と批判しています。
このような状況下で、NVIDIAは異なる方向に進む2社の株式を保有していることになります。フアン氏がこれらの展開を予見していたかどうかは不明ですが、彼が述べたIPOによる投資機会の終了が、実際のところは複雑化した状況からの撤退である可能性が高いということです。
