Observe社は、ソフトウェアの可観測性の変化に対応するため、2017年に設立されました。企業がより頻繁にソフトウェアの新バージョンをリリースし、それに伴い生成されるデータが増加していることに対応する形です。
現在、Observe社はAI技術の最新の大きな変化に対応しています。カリフォルニア州サンマテオに拠点を置く同社は、企業がソフトウェアの状態を内部から把握することを支援し、エンジニアが障害や停止を迅速に発見・解決できるようにしています。
最近のAIの進展は、Observe社にとって恩恵であると同時に課題でもあります。同社の可観測性製品にはAIエージェントが組み込まれており、顧客が問題をより迅速に発見・修正できるよう支援しています。しかし、AIの進展により企業は以前よりも速くソフトウェアを出荷し、その結果データ量が増加しています。
CEOのジェレミー・バートン氏はTechCrunchに対し、AIエージェントの継続的な進化に伴い、可観測性がますます複雑になっていると述べました。「数年後には、ネットワーク上に何百、何千ものエージェントが存在し、従業員や他のエージェントと相互作用するようになるでしょう」とバートン氏は話しています。
Observe社は業界の変化に対応しており、今年初めにModel Context Protocol(MCP)サーバーをリリースしました。これにより、開発者はAIコーディングツールや大規模言語モデルから可観測性データにアクセスできるようになります。
バートン氏によれば、「すでにMCPサーバーを使用している顧客がいて、かなり革新的なワークフローを試みています」とのことです。「彼らは開発環境に座って、チケットを見て、Observeを使って何が起こっているのかを調べ、問題のあるコードを説明し、修正を提案しています」と述べています。
同社はまた、Apache Icebergというオープンソースのデータテーブルフォーマットをサポートする方針です。これにより、企業は自社のデータを所有し、標準化できるようになります。Observe社は年内にこのフォーマットをサポートできる見込みです。
Observe社の売上は2024年にほぼ3倍になり、93%の顧客維持率を達成しましたが、具体的な数字は公開されていません。同社はCapitalOne、Paramount、Dialpadなどの大企業を顧客に持っています。
Observe社は、Sutter Hill Ventures主導のシリーズCラウンドで約241億円(1億5600万ドル)を調達しました。この資金は研究開発と人材採用に充てる方針です。また、Apache Icebergサポートのプライベートプレビューを間もなく開始する予定です。
「いくつかの非常に良いものが出ていますが、まだ始まったばかりだと感じています」とバートン氏は述べています。