フィンランドのヘルステック企業Ouraは、若い女性を中心にユーザーを拡大していると発表しました。Ouraのスマートリングは、マーク・ザッカーバーグ氏やジャック・ドーシー氏、プリンス・ハリー氏などの著名人が使用していますが、最も急成長しているユーザー層は20代前半の女性であるということです。
Ouraは13年前に設立され、スマートリング市場で80%のシェアを持つ企業です。しかし、サムスンのGalaxy RingやUltrahuman、Whoopなどの競合が市場に参入し、競争が激化しています。
Ouraの商業責任者ドロシー・キルロイ氏は、同社の成長は口コミによるものだとしています。エアビーアンドビーでの経験を生かし、Ouraでも同様の戦略を採用しているということです。特に「コーポレートアスリート」と呼ばれる高パフォーマンスを目指すプロフェッショナル層に支持されています。
一方で、若い男性の一部は他のフィットネスバンドに目を向けているということです。Whoopが新たに血液検査サービスを発表し、OuraもQuest Diagnosticsとの提携を発表しました。両社はウェアラブルデータと臨床バイオマーカーの統合を目指しているとしています。
Ouraは若い女性市場に注力する方針です。女性の健康に特化した機能を強化し、月経周期や妊娠に関する情報提供を進めています。キルロイ氏は「予防医療に焦点を当て、燃え尽き症候群や病気を未然に防ぐことを目指しています」と述べています。
Ouraは現在、4,000の小売店で販売され、1,000のパートナーとAPIを共有しています。30人以上の博士号取得者や医学博士が在籍し、UCSFやUCバークレー、スタンフォード大学と提携しています。このような臨床的な信頼性が競合との差別化要因となっています。
昨年末にはDexcomと提携し、血糖値のモニタリングを開始しました。キルロイ氏自身もこのシステムを9ヶ月間試験し、ストレスが血糖値に与える影響を実感したとしています。
一方、Ouraはアメリカ国防総省との契約でプライバシーに関する懸念を招きました。キルロイ氏は「我々は会員データを米国政府に提供していない」と強調しています。
Ouraの戦略は、すべての世代をターゲットにするのではなく、信頼を維持しながら特定の市場に注力することであるということです。競合他社が特定の市場を狙う中、Ouraはより広範な健康管理を目指しています。
