Replitは10月31日、マイクロソフトとの戦略的提携を発表しました。これにより、Replitはマイクロソフトの企業向けクラウドアプリストア「Azure Marketplace」を通じて利用可能となります。マイクロソフトの顧客は、ここでReplitのサブスクリプションを購入することができるということです。
Replitはまた、マイクロソフトのいくつかのクラウドサービスと技術的に統合される方針です。これには、コンテナや仮想マシン、Replitがサポートするデータベース「Neon Serverless Postgres」などが含まれます。この統合により、AzureはReplitアプリの使用から収益を得ることができるとしています。
マイクロソフトはGitHub Copilotを提供しており、これは人気のあるAI支援コーディングツールです。しかし、Replitは異なるユーザー層と用途を対象としており、直接的な競争関係にはないとしています。Copilotはプログラマー向けのAI搭載のブラウザ内コーディングアシスタントであり、Replitはプログラミング経験の少ない人々にも利用されています。
この提携により、両社はReplitをプロトタイピングやデザインツールとして位置づけており、Figmaの競合としても機能するということです。また、プログラミング経験のないビジネスマネージャー向けに、自作アプリを構築するためのツールとしても提供する方針です。
Replitは、プログラミングの経験がない社員もアプリを開発できるようにすることで、Copilotを補完する存在であるとしています。6月には、CEOのアムジャド・マサド氏が、同社の年間定期収益が半年で1,550億円(約10億ドル)に成長したと報告しました。
Replitは、Andreessen HorowitzやKhosla、Coatueなどから約151億円(約9740万ドル)の資金を調達しており、現在も資金の半分以上を保有しているとしています。同社のプラットフォームには50万人以上のビジネスユーザーがいるということです。
Replitの競合には、ヨーロッパのLovableやBoltなどがあり、これらの企業も急成長を遂げています。しかし、この提携により影響を受ける可能性のあるのはGoogle Cloudです。Replitのアプリは通常Google Cloud上でホストされていますが、今回の提携は独占的なものではないため、ReplitはGoogle Cloudを離れるわけではなく、マイクロソフトの顧客をサポートするということです。