YouTubeは、クリエイターが生計を立てるための最大のプラットフォームとなっています。2023年6月、YouTubeのクリエイティブエコシステムがアメリカのGDPに550億ドル(約8兆5千億円)以上を追加し、49万人以上のフルタイム雇用を創出したと発表しました。
しかし、多くのYouTuberは広告収入とブランド契約への依存を減らしています。この変化の理由として、広告収入の不安定さが挙げられます。YouTubeがポリシーを継続的に更新することで、クリエイターにとって広告の確保が難しくなり、収益に悪影響を及ぼすことがあるということです。また、こうした収入源が突然消える可能性もあります。
プラットフォーム依存の収益の不安定さを認識し、多くのYouTuberは単なるクリエイターではなく、垂直統合型のメディア企業として商品ラインや実店舗、消費者ブランドなどの並行ビジネスを展開しています。これにより、アルゴリズムの変更やポリシーの変動にも耐えられる方針です。
具体例として、Jimmy Donaldson氏、通称MrBeastは、YouTubeの大スターであるだけでなく、最も積極的な起業家でもあります。2018年に始めた商品販売店「ShopMrBeast」は、スナックブランド「Feastables」などのビジネスポートフォリオへと発展しました。Feastablesの初期商品「MrBeast Bar」は発売後72時間以内に1,000万ドル(約155億円)の売上を記録し、現在では彼のYouTubeコンテンツやPrime Videoの「Beast Games」シリーズよりも利益を上げています。
Emma Chamberlain氏も、YouTubeでの成功から飲料業界へと進出し、2019年に「Chamberlain Coffee」を立ち上げました。このブランドは、コーヒーや紅茶、抹茶など多様な商品を提供しており、2023年には約2,000万ドル(約31億円)の売上を達成しました。
Logan Paul氏は、エナジードリンクブランド「Prime」で急速な成功を収めたが、現在は売上の減少や規制の問題に直面しています。兄弟のJake Paul氏も、投資ファンド「Anti Fund」やグルーミングライン「W」など、多様な事業を展開しています。
このように、YouTuberたちは収益の多様化を進めることで、より安定したビジネスモデルを構築しようとしています。