アメリカのIT大手アップルについて、端末上で機能するAI(人工知能)の需要拡大を背景に、同社が新たにクラウドサーバー事業に参入する可能性があるという分析が発表されました。自社開発の半導体による高い技術力をいかし、新たなビジネスモデルを構築する狙いがあると指摘されています。
アップルが独自に開発した半導体「アップルシリコン」は、端末上でAIの言語モデルを処理する能力に優れていると評価されています。このため、大容量のメモリを搭載した「Mac Studio」や「Mac mini」などの高性能なパソコンの需要が急増し、市場では品薄の状態が続いているということです。
こうした中、アップルがこれまで本格的な展開を控えてきたサーバー事業に参入する可能性があると指摘されています。同社は過去にサーバー向け製品を販売していましたが、現在は後継となる製品を展開していません。
しかし、利用者が自身のパソコンを使わずに、クラウド上でアップルのサービスやアプリをAIに操作させたいという需要が高まっています。このため、アマゾンの「AWS」のように、クラウド上の「アップルシリコン」と基本ソフト「macOS」を利用できる環境を、月額制で提供するビジネスモデルが想定されるということです。
アップルはすでに、独自のクラウド基盤「プライベート・クラウド・コンピュート」を構築しています。クラウド事業は高い収益性が期待できる分野であり、4000ドル(約62万円)のパソコンを一度販売するだけでなく、月額200ドル(約3万1000円)以上の利用料を継続的に得ることで、新たな収益の柱に成長するとしています。
今後、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が退任し、ハードウェア部門に精通した新たな経営体制に移行した場合、このサーバー事業の構想がさらに推進される方針だということです。
