アメリカのゲーム大手「エピックゲームズ」とIT大手「アップル」のアプリ配信サービスをめぐる裁判で、アメリカ第9巡回区連邦控訴裁判所は、アップルに対し決済ルールの見直しを命じた判決の効力を一時的に停止していた措置を取り消す決定を下したと発表しました。
この裁判は、アップルのアプリ配信サービス「アップストア」の決済ルールをめぐり、エピックゲームズが反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして訴えていたものです。エピックゲームズは、アプリ開発者が独自の決済システムを利用できるようにすることで、手数料の負担を軽減し、独自の経済圏を確立する戦略を掲げています。
連邦控訴裁判所は今月上旬、アップルが連邦最高裁判所へ上訴する準備を進める間、外部の決済システムへの誘導を認めるよう命じた判決の効力を一時的に停止する決定を下していました。
これに対しエピックゲームズは、アップルの要求に反論する十分な時間が与えられなかったと主張しました。さらに、アップルの動きは「不当な手数料の徴収を制限する裁判所の判断を遅らせるための戦術にすぎない」として、効力停止の取り消しを求めていました。一方のアップルは、最高裁判所での審理を待つ間、下級審での不要な手続きを避けるために効力停止を維持する方針を示していました。
連邦控訴裁判所は今回、エピックゲームズの主張を認め、効力停止の措置を取り消す決定を下しました。裁判所は決定文の中で、「アップルは連邦最高裁判所がこの案件を受理する可能性や、判決が覆る可能性を十分に示していない」と指摘しています。
また、効力停止を維持する正当な理由がなく、下級審での手続きを進めてもアップルに回復不能な損害を与えるとは証明されていないということです。
今回の決定を受けて、エピックゲームズのティム・スウィーニーCEOはSNS上で「アップルの遅延戦術は終わった」と述べました。今後は下級審に審理が差し戻され、別の決済手段を利用する際にアップルが徴収できる手数料の具体的な条件などについて、審理が再開される見通しです。
