アメリカのIT大手アップルは、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が退任し、後任にハードウェア部門の責任者であるジョン・ターナス氏が就任する人事を発表しました。この人事は、昨年から市場の反応を探るために意図的に情報が流されていたとみられており、周到な準備を経ての発表となりました。
前任のスティーブ・ジョブズ氏の後を継ぐことは非常に困難な役割でしたが、クック氏が後継者として指名されたことは偶然ではありません。クック氏のリーダーシップのもとで、アップルは驚異的な成長を遂げたということです。
金融情報サイトのまとめによりますと、クック氏の在任中、アップルの時価総額は3500億ドル(約54兆2500億円)から4兆ドル(約620兆円)へと10倍以上に拡大しました。また、売上高は2011年の1080億ドル(約16兆7400億円)から2025年には4160億ドル(約64兆4800億円)へと約4倍に増加しています。現在では、サービス部門単体の収益だけでも、クック氏が就任した当時の会社全体の収益の4分の1以上を占める規模に成長しているということです。
イギリスの経済紙が昨年11月に報じた内容により、アップルが後任人事と発表時期についてどのような計画を持っているかが事前に明らかになっていました。この報道は、市場の反応を意図的に試す「観測気球」であったと指摘されています。
クック体制下での著しい成長を考慮すると、取締役会がトップ交代に対する市場の反応を懸念するのは自然なことだとしています。正式な発表時に市場へのショックを与えないよう、投資家の反応を測りつつ、時間をかけて市場に受け入れさせる狙いがあったとみられます。また、投資家を安心させるため、クック氏が暫定的に会長や取締役会のアドバイザーなどの役職に就く方針も検討されているということです。
今回の正式発表は、昨年11月に流れた情報と完全に一致しています。事前の情報漏えいに対する市場の反応が限定的であったことから、アップルは自信を深めたとみられます。実際、正式発表後も株価の変動はほとんどなく、金融メディアや専門家の間でも、ターナス氏が後任として適任であるという見方が大勢を占めています。
アップルのトップ交代という第1段階の計画は、会社側の想定通りに進んだ形です。今後は、ターナス新体制のもとでどのような経営戦略が打ち出されるかが焦点となる見通しです。
