アメリカのIT大手アップルについて、従来の高い利益率を維持する方針から転換し、市場シェアの拡大を優先する異例の戦略をとっているという分析を、専門家が発表しました。この戦略により、パソコン「Mac」の利用者が今後10年間で倍増する可能性があるということです。
IT業界では現在、AI(人工知能)向けサーバーの需要拡大に伴い、メモリー半導体の価格が高騰しています。多くのパソコンメーカーがコスト上昇分を製品価格に転嫁するなか、アップルはこれまでのところ値上げを見送っています。
アップルはこれまで、37%から38%という高い粗利益率を目標とし、利益率の低下を避ける姿勢を示してきました。しかし、著名なアナリストのホレス・デディウ氏など複数の専門家は、同社が競合他社の苦境に乗じて、成長を優先する方針に切り替えたと指摘しています。
専門家の分析によりますと、アップルはメモリー半導体を高値で買い占めることで、利益率の低い競合他社に厳しい市場環境を強いているということです。この戦略により、アップルの製品粗利益率は従来の30%台後半から30%台前半に低下する可能性があるとしています。
一方で、シェア拡大によって新たに獲得した利用者が、利益率の高いサブスクリプションなどのサービス部門を利用することで、ハードウエアでの減益分を補う方針だと分析しています。
デディウ氏は、この戦略が市場に与える影響は大きいと指摘しています。現在、およそ2億6000万人と推測される「Mac」の利用者数が、今後10年間で倍増することも十分に達成可能な目標だとしています。
IT専門メディアも、最近発売された製品の価格設定などを踏まえ、アップルが現在の市場環境を最大限に活用し、サービス収益を軸に成長を加速させる戦略をとっているという見方を支持しています。
