アメリカのIT大手アップルが、音声アシスタント「Siri」の開発に携わるエンジニアを対象に、AI=人工知能を活用したプログラミング技術を習得するための数週間にわたる集中研修を実施することが、アメリカのIT専門メディアの報道で明らかになりました。AI開発の遅れを取り戻し、開発体制を強化するねらいがあるということです。
アメリカのIT専門メディア「ジ・インフォメーション」の報道によりますと、アップルは現在Siriの開発に携わる数百人のエンジニアのうち、200人弱を対象に数週間の集中研修を実施する方針です。この研修は、AIを活用したコーディングスキルを向上させることを目的としています。
近年、アメリカのオープンAIやアンソロピックなどが提供するAIコーディング支援ツールが急速に普及し、ソフトウェア開発の効率が大幅に向上しています。報道によりますと、アップル社内のソフトウェアエンジニアリング部門などではすでにこうしたツールが導入されており、多額の予算を割り当てるチームも出ているということです。今回の措置は、Siriの開発部門においても最新のプログラミング技術に対応し、開発スピードを引き上げるねらいがあるとみられています。
研修期間中、Siriの中核的な開発チームには約60人が残り、別の約60人がSiriの応答性能や安全基準の評価を担当する体制になるとしています。
アップルは、6月8日に予定されている開発者会議「WWDC」で、アメリカのグーグルが開発したAIモデル「Gemini(ジェミニ)」を活用した、新たなSiriを発表すると予想されています。
アップルをめぐっては、AI戦略の遅れが指摘されており、これまでに「Apple Intelligence」やSiriを含むAI関連部門の大規模な組織再編を行ってきました。今週には、AI部門の元トップであるジョン・ジャナンドレア氏が退社したほか、グーグルなどで経験を積んだアマル・スブラマニャ氏をクレイグ・フェデリギ上級副社長の傘下でAI担当の副社長に起用しています。また、Siriの開発チームは、ゴーグル型端末「Apple Vision Pro」の開発を率いたマイク・ロックウェル氏の統括下に置かれています。
なお、今回の集中研修がアップル社内で独自に実施されるのか、外部の企業や研究機関と連携して行われるのかなど、具体的な形式については明らかになっていないということです。
