アメリカのIT大手アップルで、対話型AI「Siri」の刷新を主導している幹部が、退社や役割の縮小を検討していると、アメリカのメディアが報じました。
アメリカの経済メディア、ブルームバーグの報道によりますと、アップルでゴーグル型端末「Vision Pro」の開発を率い、現在は「Siri」の刷新を担当しているマイク・ロックウェル氏が、今後の去就について検討しているということです。
アップルは現在、AI分野での競争力を高め、独自の技術基盤を確立する戦略を推し進めています。その一環として、ティム・クックCEOはAI部門の体制を見直し、困難な開発を成功させた実績のあるロックウェル氏に、AIを活用した次世代の「Siri」の開発を任せました。
しかし、アップル全体のAI戦略は、ソフトウェア部門の責任者であるクレイグ・フェデリギ氏が統括する体制となっています。関係者によりますと、ロックウェル氏はこの体制に難色を示しており、より大きな権限を求めているということです。
そのため、ロックウェル氏は来年にも会社を離れるか、アドバイザーなどの役職に退くことを検討しているとしています。
かつてロックウェル氏は、アップルの製品やAIの将来像を描く、最高技術責任者(CTO)のような立場に就く可能性があるとみられていました。これは、ウェアラブル端末がiPhoneの次の主力製品になると期待されていたためです。
しかし、初代の「Vision Pro」は価格や重量が課題となり、消費者に広く普及するには至っていません。こうした背景から、今後の見通しは不透明になっているということです。
一方で、ブルームバーグは、ロックウェル氏が退社や役割の変更を決断した場合でも、「Siri」の刷新が完了する前に現在の職務を離れる可能性は低いと伝えています。
アップル社内では、次期CEOと目されるジョン・ターナス氏のもとで、幹部の人材流出を防ぐことが今後の大きな課題になるとしています。
