アメリカのIT大手アップルでAI(人工知能)部門のトップを務めていたジョン・ジャナンドレア氏が、今週、同社を正式に退社することが明らかになりました。アップルはAI開発体制の大幅な見直しを進めており、今後の戦略に注目が集まっています。
ジャナンドレア氏は、グーグルで8年間勤務したのち、2018年にアップルに入社し、機械学習およびAI戦略を統括してきました。アップルは昨年12月、同氏が役職を退き、2026年春に完全に退社するまでアドバイザーを務めると発表していました。
しかし、アメリカの有力メディアの報道によりますと、ジャナンドレア氏のアドバイザーとしての任期は今週で終了するということです。この時期は、アップルが従業員に付与する株式の権利確定日である4月15日と重なっています。これは、業界内で株式の権利を得るまで会社に籍を置く慣行として知られています。同氏は退社後、複数の企業で取締役を務めるほか、スタートアップ企業のアドバイザーに就任する計画だということです。
アップルは独自のAI機能「アップルインテリジェンス」の発表に伴い、AI部門の組織再編を急ピッチで進めています。昨年12月のジャナンドレア氏の退任発表と同時に、グーグルやマイクロソフトで経験を積んだアマル・スブラマニヤ氏をAI担当の副社長として採用したと発表しました。同氏はクレイグ・フェデリギ上級副社長の直属となります。
また、報道によりますと、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が製品開発の実行力に懸念を示したことから、ジャナンドレア氏は今年3月に音声アシスタント「Siri」の統括から外されたということです。現在、Siriの開発はマイク・ロックウェル氏が率いており、その他の職務はフェデリギ氏らが引き継いでいます。
アップルは、2か月後に開催される開発者向け会議(WWDC)において、最新OS「iOS 27」に搭載される新たなAI機能やSiriの改良を発表する方針です。これは、組織再編後およびグーグルのAIモデル「Gemini」の採用契約を結んでから初めての主要な発表となるため、その動向が注視されています。
