アメリカのIT大手アップルは、最新の独自半導体「M6」を搭載した小型デスクトップパソコン「Mac mini」の新たなモデルを発売したと発表しました。専門メディアなどの検証によりますと、コンパクトな設計を維持しながらも、AI(人工知能)処理や基本性能が大幅に向上しているということです。
外観については、2024年に大幅に刷新された約12.7センチ(5インチ)四方の小型デザインを踏襲しています。接続端子として前面にUSB-C端子とイヤホンジャックを備えるほか、背面には「M6」搭載モデルで3つのThunderbolt 4端子、「M5 Pro」搭載モデルでは3つのThunderbolt 5端子を搭載しています。また、通信機能として新たにWi-Fi 7やBluetooth 6に対応したとしています。
今回搭載された「M6」チップは、アップルとして初めて2ナノメートルプロセスを採用したMac向けの半導体です。CPU(中央演算処理装置)には、単一処理に特化した「スーパーコア」、複数処理向けの「高性能コア」、および背景処理を担う「高効率コア」の3種類が初めて組み合わされています。
さらに、画像処理を担うGPUの性能向上に加え、AI処理に特化した回路の強化により、AI関連の処理速度が前世代の「M4」モデルと比較して最大4倍に向上したということです。専門メディアによる性能テストでも、単一の処理で24%、複数の処理で48%、画像処理で71%の性能向上が確認されたとしています。また、記憶装置(ストレージ)の読み書き速度も約2倍に高速化しているということです。
一方で、価格設定には変化が見られます。2024年のモデルチェンジ時は599ドル(約9万2800円)から販売されていましたが、世界的な半導体メモリ価格の高騰などの影響を受け、今回の「M6」モデルは899ドル(約13万9300円)からの価格設定となっています。上位モデルの「M5 Pro」搭載機は1699ドル(約26万3300円)からとなります。
アップルのティム・クック前最高経営責任者(CEO)が指摘したようなメモリ価格の高止まりが続く中、同社は製品の価格改定を通じて収益性を確保する方針とみられます。また、最新の「M6」と1世代前の高性能版「M5 Pro」を同時に展開することで、半導体の開発状況に合わせて柔軟に製品を市場に投入する戦略をとっています。
IT専門家は、価格は上昇したものの、需要が高まるAI開発やサーバー用途など、多様なニーズに対応できる高い性能と汎用性を考慮すれば、依然として競争力のある製品であると評価しています。
