ニューヨークのフィフスアベニューにあるアップルの旗艦店が、気候変動に関する抗議者によって落書きされ、同社のボイコットが呼びかけられたと発表しました。
店舗のガラス正面には、3つのスローガンがスプレーで描かれ、環境問題におけるアップルの偽善を非難する内容となっています。これらの落書きは、抗議者のグループが現場で声を上げる中、1人の個人によって行われたとされ、その人物は現場で直ちに逮捕されたということです。アップルの警備員と思われる人物が、ペイントを清掃している様子が目撃され、「Tim」という名前が最初に消されたとされています。
環境団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」は、アップルが自身の環境への取り組みを掲げる一方で、CEOがトランプ氏に寄付を行い、パリ協定からの離脱について沈黙していることを偽善と批判しています。XRのスポークスマンであるマイルズ・グラント氏は、「2023年にティム・クック氏は気候変動との戦いを最も緊急の課題と呼びました。しかし2025年には、気候進展を巻き戻すトランプ氏に寄付しています。彼らは顧客と地球を裏切りました」と述べています。
また、グーグルやメタも批判の対象となっています。2025年のトランプ氏の就任式では、ティム・クック氏、サンダー・ピチャイ氏、マーク・ザッカーバーグ氏といったCEOたちが前面に出ていましたが、彼らは環境規制を緩和し、化石燃料に莫大な資金を投じる政権を支持しているとしています。記録的な暑さが続く中、不平等が拡大し、かつての百年に一度の自然災害が毎年発生する現在、大手テクノロジー企業は沈黙を守り、利益を優先しているということです。
さらに、AIサービスのエネルギーコストの増加についても抗議が行われました。大手テクノロジー企業のAIへの依存は、地球上で最も急速に成長している炭素排出源の一つです。グーグルの温室効果ガス排出量は、2019年以降50%以上増加しており、エネルギーを大量に消費するAIデータセンターがその要因とされています。
XRは「権威主義を助長し、化石燃料の使用を拡大するテクノロジー企業をボイコットするよう」呼びかけています。
写真提供:エクスティンクション・リベリオン NYC