アドビは、同社の人気動画編集アプリ「Premiere」をiPhone向けに提供開始したと発表しました。これにより、モバイルでの編集が可能になります。Android版については現在開発中ということです。
モバイル版のPremiereアプリは無料で利用でき、マルチトラックタイムラインを含む編集機能、4K HDR編集のサポート、自動生成された字幕、色や影の調整機能などが搭載されています。これらはモバイル画面に適した機能です。
モバイルデバイスで撮影したクリップには背景ノイズが含まれることがありますが、スライダーコントロールで簡単にノイズを低減し、対話を強調することができます。
アドビはまた、AIを活用した機能も追加しました。背景音をプロンプトに基づいて生成できるほか、ハミングや歌をAIが音響効果に変換することも可能です。
同社のFireflyモデルを使用することで、ユーザーは画像やステッカーを作成し、画像を動画に変換してトランジションショットに利用することができます。アプリ自体は無料ですが、これらのAI機能を利用するにはクレジットの購入が必要です。
また、アドビのストックライブラリの写真、クリップ、音声を無料で利用できるということです。
新しいPremiereアプリでは、Adobe Cloudを利用してプロジェクトをモバイルからデスクトップアプリへ移行することができます。ただし、現時点ではデスクトップからモバイルへのプロジェクトの送信はできません。
アドビの製品ディレクター、マイク・フォルグナー氏はTechCrunchに対し、「すべてのクリエイターが作業できるようにサポートしたい。次世代のクリエイターはモバイルでの編集を選び、好むことを知っている。だからこそ、新しいモバイルアプリを通じて彼らに応えることが重要だ」と述べました。
Premiereは、iOSとAndroid向けのPhotoshopやモバイル向けのFireflyなど、アドビがモバイルに展開しているアプリ群に加わります。
このリリースにより、アドビはByteDanceのCapCut、MetaのEdits、a16zが支援するスタートアップCaptions、インドを拠点とするInVideoなどとの競争において、競争力を高める方針です。
