IT大手アマゾン傘下でスマートホーム事業を展開する「リング」は、動画データの暗号化とユーザー管理に関する新たな規格「TAKE(テイク)」を導入し、クラウド機能の初期設定にすると発表しました。
同社によりますと、この新規格は「エンドツーエンド暗号化」に依存することなく、ユーザーのプライバシーを保護できるとしています。従来のエンドツーエンド暗号化では、動画の検索や説明機能、信頼できるユーザーとの共有といった一部の機能が制限される課題がありました。
新たな規格では、定期的に更新される暗号化キーをクラウド上に一時的に保存する仕組みを採用しています。同社は、ユーザーが有効にしている機能を稼働させる目的に限り、このキーにアクセスできるということです。処理が完了した後、24時間以内にキーは削除される仕組みとなっています。
これにより、ユーザーの動画データを一時的に復号して処理することが可能になります。その結果、カメラの視野に入った人物や車両、荷物などを検知して通知する「スマートアラート」のようなクラウドベースの機能を提供できるとしています。
同社は公式ブログで、「この規格により、スマートアラートなどの高度な機能を提供したうえで、暗号化キーを破棄します。動画のキーを保持するのはユーザーのみです」と説明しています。
アマゾンが公開した技術文書によりますと、この規格はインターネットの技術標準化組織(IETF)が策定したオープン規格を基盤に開発されたということです。また、端末を紛失して新しい端末を購入した場合でも、カメラの近くに立つことで認証を行い、暗号化キーを復元できるとしています。このほか、パスフレーズやクラウド上のバックアップ、承認済みの別端末、パスキーなどを用いたアカウント復元にも対応する方針です。
新たな規格は9月から順次導入され、全世界で初期設定として適用される予定です。なお、ユーザーは手動で従来のエンドツーエンド暗号化を選択することも可能だということです。
リングをめぐってはここ数か月、顔認識技術を用いて訪問者を特定する機能について批判の声が上がっていました。今年6月には、通行人の画像を同意なしに保存しているとして、アマゾンに対する集団訴訟も起きています。
